アラブ首長国連邦(UAE)の火星探査機「HOPE」(アル・アマル)と中国の火星探査機「天問1号」が、相次いで火星を周回する軌道へと投入されました。2020年は7月に世界で3機の火星探査機・探査車が打ち上げられましたが、このうち2機が火星に到着したことになります。

UAEの火星探査機「HOPE」を描いた想像図(Credit: UAE Space Agency)

UAEの火星探査機「HOPE」を描いた想像図(Credit: UAE Space Agency)

UAE初の火星探査機であるHOPEは速度を時速12万1000kmから時速1万8000kmまで減速するための27分間に及ぶエンジン噴射を実施し、火星を40時間で一周する一時的な軌道(高度1000×4万9380km)へと入りました。日本時間2月10日午前0時48分頃に軌道投入のためのエンジン噴射開始が、同日1時15分頃に軌道投入成功が確認されています。

ミッションチームは今後HOPEの軌道を科学観測を行うための55時間で火星を一周する軌道(高度2万2000×4万3000km)へと変更し、主な目的である火星の大気の観測を開始する予定です。HOPEのミッションは約2年(687日、火星での1年)の計画で、さらに1年延長することも可能とされています。

火星へ向かって飛行する中国の火星探査機「天問1号」(Credit: CNSA)

火星へ向かって飛行する中国の火星探査機「天問1号」(Credit: CNSA)

いっぽう中国の天問1号もHOPEと同じ2月10日の現地時間19時52分に軌道投入のためのエンジン噴射を開始。約15分後に近火点(火星に最も近づく軌道上の一点)高度約400km、火星を約10日で1周する軌道へと入った天問1号は、同国で初めて火星の周回軌道投入に成功した探査機になったと発表されています。

天問1号は周回機(オービター)、着陸機(ランダー)、探査車(ローバー)から構成されています。中国国家航天局(CNSA)は、今後軌道の調整や着陸予定地点の観測を行った上で2021年5月から6月にかけて着陸を行う予定としています。

なお、日本時間2月19日にはアメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance(パーセベランス、パーサヴィアランス)」が火星に到着し、朝5時55分頃にイシディス平原西端のジェゼロ・クレーターに着陸する予定です。約7か月間、5億km近い旅路の果てに火星へ到達した探査機・探査車がもたらす成果が今から楽しみです。

 

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Image Credit: UAE Space Agency / CNSA
Source: Emirates Mars Mission / CNSA
文/松村武宏

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