2021年の元旦から大晦日までの「月の満ち欠け」を再現した5分動画
十三夜の月を再現した画像(Credit: 's Goddard Space Flight Center)

あと1か月ほどで大晦日を迎える2020年は、多くの人々にとって記憶に強く残る年になったのではないでしょうか。12月6日には(宇宙航空研究開発機構)のの再突入カプセルがいよいよオーストラリアのウーメラに着陸する予定となっており、soraeとしてはカプセルの着陸・回収の詳報や拡張ミッションに挑む「」の動向などをお伝えしているうちに2021年を迎えることになりそうです。

▲Moon Phases 2021 – Northern Hemisphere – 4K(Credit: 's Goddard Space Flight Center)▲

こちらは、来年2021年の元日から大晦日までの月の満ち欠けの様子を約5分間の動画で再現したもの(※BGM付きなので音量にご注意下さい)。の月周回衛星「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」による観測データをもとに、によって作成されました。YouTubeには最大4Kの高解像度でアップロードされています。

月の地名から動画の情報に至る表記はすべて英語ですが、動画右下の「Time」には「日/月/年/時刻(協定世界時、日本標準時よりも9時間遅い)」の順で日時が、その下の「Phase」には満月に対する比率(%)と月齢(日/時/分の順)が表示されています。詳しい話は後にして、まずは日々変化していく月の満ち欠けを是非お楽しみ下さい。

さて、動画の月は満ち欠けしながら左右に大きく傾いていますが、これは地球の自転軸が傾いているために生じる見かけの角度の変化です。これとは別に、月の公転軌道が真円ではなく楕円をしていたり自転軸が公転面に対して傾いていたりすることなどで生じる「秤動(ひょうどう)」と呼ばれる現象も動画では再現されています。

月は自転と公転の周期が一致しているため常に表側を地球に向けていますが、秤動が生じることで、わずかですが裏側の一部を見ることができます。秤動の動きは動画左下の「ジャイロスコープ」表示における青いリングの傾きで確認することができます。

また、動画中央の月全体のサイズも大きくなったり小さくなったりしていますが、これは月が地球に対して近づいたり遠ざかったりすることで生じる月の見かけの大きさの変化を示しています。地球から月までの距離は約35万6400~40万6700km(地球の直径の約28~32倍)の間で変化しているため、月の見かけの大きさも変わるというわけです。動画の右側を見ると、月が地球からどれくらい離れているのかが地球の直径に対する比率で示されています。

月が地球に最接近する頃の満月はいわゆる「スーパームーン」と呼ばれていて、2021年では5月26日の満月が該当します(ただし、スーパームーンには的にはっきりとした定義はありません)。なお、この日は日本全国で皆既月食が見られる(昇ってきた月がすでに欠け始めている「月出帯食(げつしゅつたいしょく)」)ため、スーパームーンと月食をどちらも観望することができそうです。

 

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Image and Video Credit: NASA's Goddard Space Flight Center
Source: ゴダード宇宙飛行センター
文/松村武宏