おとぎ話に出てくるようなお城と空を飾る彗星と流星
ノイシュヴァンシュタイン城の上で尾を引くネオワイズ彗星と流れ星
ノイシュヴァンシュタイン城の上で尾を引くネオワイズ彗星と流れ星
ノイシュヴァンシュタイン城の上で尾を引くネオワイズ彗星と流れ星(Credit: Stephane Guisard (Los Cielos de America, TWAN))

薄明の空に彗星の塵が降りそそぐ夢のような光景ですが、これはおとぎ話の映画の一場面ではありません。

画像の中央右下に写る「ノイシュヴァンシュタイン城」はバイエルンアルプス(ドイツ・バイエルン州)にあり、ディズニーランドの「眠れる森の美女の城」にインスピレーションを与えた城として知られています。この写真は7月20日に撮影されたものですが、城の上の明るい光跡は、おそらくペルセウス座流星群による流れ星の一つだと思われます。

ペルセウス座流星群は8月中旬頃にピーク(極大)を迎えますが、写真が撮られた7月も毎年恒例の夏の流星群が活動中の頃です。城の上の流れ星の軌跡をたどっていくと、画像右上のフレームの外にあるペルセウス座の付近にある放射点にまで遡ることができます。ペルセウス座流星群は太陽系を周期的に巡っているスイフト・タットル彗星から放出された塵が元になって発生します。

また、この画像にはもう一つの見どころがあります。それは画面左上に位置した”北の空をその幅広い尾で掃いている天体”で、その正体は7月中旬までは北東の空に見られ、世界中の人々から注目された「ネオワイズ彗星」です。ネオワイズ彗星が次に見られるのは5000年以上後ということを考えると、壮大なスケールのこのコラボレーションは現実離れしている空想的な…まさに”おとぎ話”の一部のようですね。

 

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Image Credit: Stephane Guisard (Los Cielos de America, TWAN)
Source: APOD https://apod.nasa.gov/apod/ap200723.html
文/吉田哲郎