ホットジュピターを描いた想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)

太陽以外の恒星で初めて見つかった太陽系外惑星「ペガスス座51番星b」は、ホットジュピター(恒星のすぐ近くを公転する高温のガス惑星)として知られています。今回、およそ1700万歳という若い恒星の周囲でホットジュピターが見つかったとする研究成果が発表されています。

■巨大なガス惑星の一部は早い段階で形成され、恒星の近くへと移動するのかもしれない

Aaron Rizzuto氏(テキサス大学オースティン校)らの研究グループは、NASAの系外惑星探査衛星「TESS」および赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」の観測データをもとに、ケンタウルス座の方向およそ490光年先にある恒星「HIP 67522」を周回する系外惑星「HIP 67522 b」および系外惑星候補「HIP 67522 c」を検出したと発表しました。

HIP 67522 bの直径は地球の約10倍(木星より一回り小さい)で、公転周期は約7日。太陽より一回り大きな主星のすぐ近くを公転していることから、HIP 67522 bはホットジュピターとみられています。系外惑星候補とされているHIP 67522 cの直径は地球の8倍ほどで、公転周期は23日以上とされています。

系外惑星はすでに4000個以上が見つかっていて、ホットジュピターも決してめずらしいものではありませんが、HIP 67522 bで注目されているのはその年齢です。前述のように、主星のHIP 67522は誕生してから1700万年程度しか経っていない若い恒星とみられています。HIP 67522 bも必然的に1700万歳以下ということになりますが、このことから巨大なガス惑星が早い段階で短期間のうちに誕生する可能性が示唆されるといいます。

こうしたホットジュピターがどのようにして恒星の近くを周回するようになったのかについては、3つのパターンが考えられるといいます。1つ目は最初から主星の近くで形成されたとするパターンですが、若い恒星はフレアなどの活動が激しいため、その周辺は惑星の形成にはきびしい環境です。2つ目と3つ目は、ホットジュピターはもともと恒星から離れたガスや塵が豊富な場所で形成されたものの、原始惑星系円盤(恒星を取り囲むガスや塵でできた円盤)との相互作用か、あるいは別の惑星との相互作用によって恒星の近くまで移動してきたとするパターンです。

3つのうち、HIP 67522 bについて考えられるのは遠くで形成されてから移動してきたパターンのようです。研究グループでは、原始惑星系円盤との相互作用であればHIP 67522 bの若い年齢と小さな軌道を説明できる可能性が高いとしていますが、もしも系外惑星候補のHIP 67522 cが存在している場合、別の惑星との相互作用が今も進行している可能性にも言及しています。

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Source: NASA/JPL
文/松村武宏

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