氷に覆われた太陽系外惑星を描いた想像図(Credit: ESO)

生命が存在する天体は今のところ地球しか知られていませんが、木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドゥスでは表面を覆う氷の下に海があり、そこに生命が息づいているかもしれないと考えられています。今回、これまでに見つかった地球に近いサイズの太陽系外惑星について分析した結果、その一部では氷の下に海が存在するかもしれないとする研究成果が発表されています。

■分析した53個すべてで火山活動の可能性、そのうち14個には海があるかも

Lynnae Quick氏(ゴダード宇宙飛行センター)らの研究グループは、2017年の研究開始時点までに見つかっていた系外惑星のうち、地球に近いサイズの53個をピックアップしてその環境をシミュレートしました。分析の結果、少なくとも14個には海が存在する可能性があり、その大半はエウロパやエンケラドゥスのような氷の地殻に覆われた地下の海を持つかもしれないと研究グループでは考えています。

研究に参加したAki Roberge氏(ゴダード宇宙飛行センター)によると、系外惑星における生命探査では地球のように惑星の大気組成に影響を与えるほどの生物圏を支え得る環境が注目されているいっぽうで、太陽系のエンケラドゥスやエウロパといった地下の海を持つとみられる衛星は、ハビタブルゾーンから外れたところにある系外惑星でも生命を支えられる可能性を示唆しているといいます。

そこで研究グループは、地球に対して質量が8倍以下、直径が2倍以下という条件に当てはまる系外惑星53個について、主星のもたらす潮汐作用や系外惑星に含まれる放射性元素の崩壊を熱源とした火山活動の可能性を分析(系外惑星の年齢は主星と同じで、地球と同じ割合のマントルが存在すると仮定)。その結果、53個すべての系外惑星において、その表面で火山活動が起きている可能性が高い(エンケラドゥスのような低温の氷火山も含む)ことが判明したといいます。

また前述のように、53個の系外惑星のうち14個については氷に覆われた海が存在する可能性があると研究グループは予想しています。こうした系外惑星ではエンケラドゥスのように地下から氷が噴出していることも考えられますが、その兆候は次世代の観測手段が登場するのを待つことなく、既存の天体望遠鏡と高解像度の分光器でも検出できる可能性があるとしています。

エウロパの観測を行う探査機「エウロパ・クリッパー」(2023年以降打ち上げ予定)や、土星の衛星タイタンを探査するドローン「ドラゴンフライ」(2026年打ち上げ予定)のミッションにも参加しているQuick氏は「今後予定されているミッションでは、地下に海を持つ衛星が生命を支えられるかどうかを確かめる機会が得られます。もしも生命の存在を示す化学的な兆候が見つかれば、同じような兆候を求めて系外惑星を観測することにも挑戦できるでしょう」とコメントしています。

エンケラドゥスから噴出する氷粒のなかを飛ぶ土星探査機「カッシーニ」を描いた想像図。同じように氷を噴出させている系外惑星が存在しているかもしれない(Credit: NASA/JPL-Caltech)

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Source: NASA
文/松村武宏

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