太陽から吹き上がるプロミネンス、太陽観測衛星「ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(SDO)」が2011年12月8日に撮影(Credit: NASA/SDO)

太陽の活動はおよそ11年周期で変化することが知られていて、現在は第24太陽活動周期から第25太陽活動周期へと移り変わる時期にあたるとみられています。今回、太陽活動の直近18周期分の観測データをもとに、太陽活動の変化を示す「時計」を作成したとする研究成果が発表されています。

■太陽活動の活動期と静穏期は速やかに移行している

Chapman氏らが作成した「太陽周期時計(solar cycle clock)」。時間の流れは時計回りで、極大期(maximum)、極小期(minimum)、太陽活動の境界(terminator、pre-terminator)の他に、赤/青/緑のグラフでX/M/Cクラスのフレア発生状況が示されている。小さな青い点は波長10.7cmの電波強度(F10.7)(Credit: Scott McIntosh, NCAR)

Sandra Chapman氏(ウォーリック大学)らの研究グループは、1818年以降に記録された太陽の黒点数などを利用して、18周期分の太陽活動を11年周期で標準化した太陽周期時計(solar cycle clock)を作成したと発表しました。研究グループでは、今回の研究によって太陽の活動は静穏な時期と活発な時期が速やかに移行していることが示されたとしています。

研究グループが作成した太陽周期時計には、太陽活動の極小期と極大期のタイミングに加えて、X/M/Cクラスのフレア(※)の発生状況も3か月単位で示されています。フレアの発生状況を見ると、ある時を境に強いフレアが発生しやすくなったり、逆に発生しにくくなったりする様子が見て取れます。Chapman氏が「太陽活動のスイッチオンとスイッチオフのタイミングが初めて明確に示されました」と語るように、今回の研究ではその境界となる時期も示されています。

※…太陽の黒点で生じるフレアの規模はピーク時のX線強度に従い強いほうから順にX、M、C、B、Aと定められていて、前後のクラスとは10倍の差があります(たとえばM5.0のフレアはX5.0の10分の1、C5.0の10倍)

研究グループは、Xクラスのように警戒すべき強いフレアは太陽活動周期のいつでも発生し得るものの、静穏期に発生したものは数パーセントに限られると指摘。強いフレアが発生しやすい時期をあらかじめ把握することは、宇宙飛行士の活動や電力網・通信網の運用上役立つとしています。

研究に参加したScott McIntosh氏(アメリカ大気研究センター)は「太陽はこれまで考えられてきたほど不規則ではありません」、Chapman氏は「科学者は時折、乱雑で複雑に見えるものが美しいほどにシンプルなものへと生まれ変わるような、新しい手法を思いつきます」とコメントしています。

 

Image Credit: Scott McIntosh, NCAR
Source: ウォーリック大学 / アメリカ大気研究大学連合
文/松村武宏

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