棒渦巻銀河「NGC 2608」

ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された棒渦巻銀河「NGC 2608」(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Riess et al.)

かに座の方向およそ1億光年先にある「NGC 2608」は、らせん状の渦巻腕が棒状の構造によってつながった棒渦巻銀河とされています。私たちが住む天の川銀河も棒渦巻銀河と考えられていますが、NGC 2608の円盤部の幅は天の川銀河の半分ほどのサイズです。

画像の中央付近と右下に見える針状の光をともなう2つの天体は、どちらもNGC 2608のはるか手前、天の川銀河に属する星が写り込んだものです。いっぽう、NGC 2608の周りにある他の天体の多くは、ずっと遠くに見えている幾つもの銀河。画像を拡大してみると、あちこちに円盤銀河と思われる天体が見つかります。

宇宙のスケールからすれば比較的近いところにあるNGC 2608はこのようにはっきりとした姿で観測することができますが、その周囲に散らばる無数の光の点は、NGC 2608や天の川銀河がこの宇宙に数え切れないほど存在する銀河のごく一部でしかないことを示しています。26万もの銀河が写っているという「ハッブル・レガシー・フィールド」も驚嘆の画像ですが、はっきり見える銀河と点にしか見えない無数の銀河という対比もまた、宇宙がいかに広大であるかを物語っています。

画像はハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)によって撮影され、2020年6月8日に公開されたものです。

 

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Riess et al.
Source: ESA/Hubble
文/松村武宏

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