ハビタブルゾーンを周回する系外惑星を描いた想像図(Credit: NASA Ames/JPL-Caltech/T. Pyle)

地球に近いサイズの太陽系外惑星は幾つか報告されていて、なかには主星(恒星)のハビタブルゾーンに位置するものも見つかっていますが、その多くは太陽よりも小さく表面温度が低い赤色矮星を周回しています。今回、サイズが地球に似ているだけでなく、周回している恒星や軌道も似ている系外惑星の候補を発見したとする研究成果が発表されています。

■太陽に似た恒星のハビタブルゾーンを周回する地球に似た系外惑星候補

René Heller氏(マックス・プランク太陽系研究所)らの研究チームは、「こと座」の方向およそ3100光年先にある「ケプラー160」において新たに1つの系外惑星「ケプラー160d」と、もう1つの系外惑星候補「KOI-456.04」が見つかったと発表しました。

ケプラー160ではすでに地球の約1.5倍と約3.6倍の直径がある2つの系外惑星「ケプラー160b」「同c」が見つかっています。このうち外側を周回するケプラー160cでは公転周期にわずかな変化が確認されており、別の系外惑星による影響が現れている可能性がありました。

そこでHeller氏らがNASAの宇宙望遠鏡「ケプラー」による観測データを再解析したところ、地球の約1.9倍の直径があり、ケプラー160を約378.4日で公転しているとみられるKOI-456.04が検出されました。主星のケプラー160は太陽とほぼ同じ直径(太陽の約1.1倍)で、表面温度は摂氏およそ5200度とされています。研究チームでは、KOI-456.04に大気があって温室効果が穏やかだった場合表面温度の平均は摂氏5度になると推定しています。

前述のように、地球サイズでハビタブルゾーンにある系外惑星の多くは赤色矮星の周囲で発見されています。いっぽう、KOI-456.04は太陽に似たケプラー160を周回しているだけでなく公転周期も地球の1年とほぼ同じであるため、マックス・プランク太陽系研究所が「A mirror image of Earth and Sun(地球と太陽の鏡像)」と表現するように、地球と太陽の関係によく似ていると言えます。ただ、今回の研究ではKOI-456.04を系外惑星と確認するまでには至っておらず、今後の追加観測による確認が求められています。

主星と惑星の関係を示した図。上から太陽と地球、ケプラー160とKOI-456.04(今回の研究)、恒星の近くを周回するホットネプチューン、赤色矮星を周回する地球サイズの系外惑星。KOI-456.04は主星と惑星の組み合わせが地球とよく似ている(Credit: René Heller)

■ケプラー160には4つの系外惑星が存在する?

また、今回報告されたもう一つの系外惑星ケプラー160dは、各系外惑星の動きを詳しく分析することで発見されています。ケプラーは系外惑星が主星の手前を横切る「トランジット」を起こしたときの明るさの変化を検出する方法(トランジット法)を利用して観測データを取得する宇宙望遠鏡でしたが、ケプラー160dは地球からトランジットが観測できない軌道を周回しているとみられており、ケプラーで検出することができなかったようです。

研究チームによると、ケプラー160dの質量は地球と同じ~100倍ほど、公転周期は約7日~50日の範囲におさまります。今後の観測によってKOI-456.04が系外惑星と確認されれば、ケプラー160では4つの系外惑星が発見されたことになります。

 

Image Credit: MPS / René Heller
Source: MPS
文/松村武宏

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