明日4月29日、小惑星「1998 OR2」が地球に最接近します。明日の接近では地球に衝突する危険性はないものの、軌道の変化によっては将来地球に衝突する可能性も考えられる「潜在的に危険な小惑星(PHA:Potentially Hazardous Asteroid)」に分類されている1998 OR2を、プエルトリコの「アレシボ天文台」が観測しています。

■カップ型マスクを連想させるレーダー画像

アレシボ天文台による小惑星「1998 OR2」のレーダー観測画像(Credit: Arecibo Observatory/NASA/NSF)

アレシボ天文台では地球に近づく小惑星のレーダー観測を実施しています。4月17日に観測された1998 OR2のレーダー画像は表面にみられる地形の特徴を捉えているのですが、世界中が新型コロナウイルスの対策に追われる現在、その姿はまるでカップ型のマスクを着けた姿を連想させます。

アレシボ天文台惑星レーダーの責任者であるAnne Virkki氏も「私たちもCOVID-19のことが頭から離れないので、1998 OR2までマスクの装着を忘れなかったように見えてしまいます」とコメントしています。アレシボ天文台による1998 OR2の観測は4月13日に始まり、同天文台の観測範囲から外れる4月23日まで続けられました。

マスク姿のAnne Virkki氏と1998 OR2のレーダー画像(Credit: University of Central Florida)

今回の接近で1998 OR2は地球から月までの距離の16倍ほど離れたところを通過していきますが、2079年4月16日には今回の3分の1以下となる地球から月までの4.6倍ほどの距離を通過すると予想されています。ただし、小惑星の軌道は惑星の重力や太陽の影響を受けやすいことから、長期的な予測が難しいとされています。

これまでの観測によって1998 OR2は直径2kmほどとされていて、アレシボ天文台の観測でも確認されていますが、直径が100mを超える小惑星は仮に地球に衝突すれば都市単位の被害をもたらし得ることから「シティ・キラー(city killer)」とも呼ばれています。潜在的に危険な小惑星による将来のリスクを正しく評価するためにも、アレシボ天文台によるレーダー観測などをもとにした小惑星のより正確な軌道の把握は重要です。

アレシボ天文台の電波望遠鏡(直径305m)(Credit: Arecibo Observatory)

 

関連:小惑星「1998 OR2」が4月29日、地球に最接近する

Image Credit: University of Central Florida
Source: セントラルフロリダ大学
文/松村武宏

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