この画像は大西洋にあるカナリア諸島、ラパルマ島のガラフィアという場所で撮影されたものです。左にあるのは1953年まで使われていた風車で、ちょうどその中心が北の空、天の北極に重なるようなアングルで撮影されています。ラパルマ島は画像の通り星が非常にきれいに見える島で、島の山頂付近には天文学の研究機関が設置したいくつもの天体望遠鏡が観測を行っています。そのような観測条件の良い場所に行けば、空を埋め尽くすほどの星を見ることもできます。
星空の写真にはこのように星が弧を描くように見えるものがありますが、こうした画像を撮影するにはカメラを三脚に固定し、ある程度の時間をかける必要があります。この画像の場合、25秒間の露光(シャッターを開けたままカメラに星の光を受け続ける)を39回繰り返し、それらを組み合わせています。北の空では地球の自転により、天の北極を中心に星が回転するような動きになります。そのため撮影の間に星が動き、こうした画像を撮ることができるのです。
また、この画像では中央に天の川も見ることができます。日本の都市部では馴染みのない天の川ですが、カナリア諸島のような環境では非常に鮮明に見ることができ、その存在感に圧倒されるほどです。さらに、天の川の右側にはぼんやりと輝くアンドロメダ銀河も映っています。
カナリア諸島は観光地としても有名で、日本からはかなり遠い場所ではありますが、機会があればぜひ一度訪れてみてください。
Image Credit & Copyright: Antonio Gonzalez
Source: NASA
文/北越康敬