2つの恒星が互いを周回し合う連星は、この宇宙ではごくありふれた存在です。今回、連星を成す恒星が両方とも白色矮星に進化した「白色矮星どうしの連星」が、「うお座」の方向で見つかりました。

■重力波を放出しつつ600万~700万年後には合体するとみられる

白色矮星どうしの連星「J2322+0509」を描いたイメージ図(Credit: M. Weiss)

今回、Warren Brown氏(ハーバード・スミソニアン天体物理学センター、アメリカ)らによって分析されたのは、うお座の方向およそ2500光年先にある「J2322+0509」です。J2322+0509はそれぞれ太陽の0.27倍と0.24倍の質量がある2つの白色矮星から成る連星で、重いほうの表面温度は摂氏およそ1万8000~2万度とみられています。

研究チームがアリゾナ州の「マルチミラー望遠鏡(MMT)」やチリの「マゼラン望遠鏡」を使って観測したところ、J2322+0509では2つの白色矮星が約1201秒(20分1秒)周期で互いを周回し合っていることが明らかになりました。これは過去に報告された「ZTF J1539+5027」(約414秒)や「SDSS J0651+2844」(約765秒)に次いで短い公転周期だといいます。

(4月7日追記:上記の他にも「かに座HM星(RX J0806.3+1527)」が約321秒周期で周回する白色矮星どうしの連星であることが確認されています。ご指摘を受け訂正いたします)

J2322+0509では白色矮星が重力波の形でエネルギーを放出しながら周回しているため、今後は周期がさらに短くなり、白色矮星どうしの距離も徐々に短くなっていくとみられています。研究チームでは、J2322+0509の2つの白色矮星は600万から700万年後には合体して、より大きな単一の白色矮星が誕生することになると予想しています。

なお、J2322+0509を成すのはどちらも恒星のヘリウムコアに由来するヘリウムが主体の白色矮星(helium-core White Dwarf)とみられており、研究チームによると、このような白色矮星どうしがペアを組む連星が見つかったのは今回が初めてだといいます。また、2034年に打ち上げられる予定の宇宙重力波望遠鏡「LISA」では、J2322+0509のような白色矮星から放出される重力波が数多く検出できると予想されています。

 

Image Credit: M. Weiss
Source: ハーバード・スミソニアン天体物理学センター
文/松村武宏

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