小さな銀河の残骸が傘となった「アンブレラ銀河」:NGC 4651
渦巻銀河 NGC 4651「アンブレラ銀河」
渦巻銀河 NGC 4651「アンブレラ銀河」

NGC 4651として知られるこの天体は、かみのけ座の方向に位置する渦巻銀河です。1883年12月にウィリアム・ハーシェルによって発見されたNGC 4651は、全体の形状が傘を広げた様に見えることから「アンブレラ銀河」と呼ばれています。

壮大な宇宙に漂う壮大な”渦”は一見何事もなく平穏な姿をしていますが、決してその様なことはありません。NGC 4651は、周囲の小さな衛星銀河を複数飲み込むなどし、活動的に進化を続けてきました。その過程、この画像のような大きく美しい銀河へと進化し、飲み込んできた数多くの銀河の残骸が傘の形状を作り上げたと考えられています。

この画像はハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」の複数波長を用いた合成画像で、2020年3月30日に公開されたものです。

傘をイメージする形状の「アンブレラ銀河」(Credit:NAOJ and R. Jay GaBany

 

Image: ESA/Hubble & NASA, D. Leonard / 国立天文台
Source: HUBBLE / SCI-NEWS