soraeが今週お届けした天文ニュースで、注目された4つのニュースをダイジェストとしてまとめました。
太陽系外惑星の”海”では地球より生命が豊かかもしれない
NASAが開発したソフトウェア「ROCKE-3D」を利用し、いろいろな環境のパターンを持つ惑星を仮定して海洋の循環や気候をシミュレート。
その結果「大気の密度が高く、自転速度が遅く、大陸が存在する惑星」において、湧昇流の効率が高まることがわかった。そして、地球の海は生命にとって必ずしも最良の環境ではなく、もっと住みやすい海を持つ系外惑星さえ存在するかもしれないという。
木星の新しく見つかった衛星5つの名前が決定。命名ルールを解説
木星の衛星は現在、合計79個が発見されています。今回、命名されたのは2018年7月に発表された12個の内、5個。いずれもギリシア神話のゼウスやローマ神話のユピテルに関係した名前が付けられましたが、その命名には、他の天体に使用されていない名前や文字制限などの条件、木星に対して順行や逆行なども関係してきます。
国際天文学連合(IAU)によって正式に命名された5つの衛星は全て女神という結果に。
地球はめずらしい惑星?それとも仲間が見つかっていないだけ?
地球は変わり者なのか。
近年、TESSやケプラーによって系外惑星が多数発見されています。「トランジット法」と「視線速度法」という2つの手法で次々に見つかる系外惑星。しかし地球の様な系外惑星は未だ見つかっていません。それは観測精度や観測期間などが関係している可能性があり、現状では偏った系外惑星しか見つかっていないかもしれません。
2021年に打ち上げが予定されている「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡は新たな方法で地球外生命の存在を示唆するという。
20周年を迎えた「チャンドラ」が観測し続けている特別な天体
1999年に稼働したチャンドラX線天文衛星がファーストライト(最初の観測)を実施した天体が、このカシオペヤ座A。2019年現在まで約20年間観測を続けてる、チャンドラにとって特別な天体と言えます。
新たに公開された画像とファーストライトの画像を比較するとカシオペヤ座Aは超新星残骸であるが故にガスが徐々に広がっている様子が捉えられています。
Image Credit;NASA/CXC/SAO/Ames/JPL-Caltech