太陽の20万倍明るい恒星が潜む星雲

虹色に輝く雲が美しいこの天体は、いて座の方向約4000光年に位置する散光星雲である干潟星雲を捉えたものです。

様々な星雲の様に、この干潟星雲も多くの星が誕生しています。この若い星から放たれる強力な紫外線や恒星風によって、星雲と言った幻想的なガスと塵の芸術が完成するのです。また、この画像の場合、ダストレーンに隠された非常に明るい領域が存在しています。その正体は「Herschel 36」という太陽の約20万倍明るい恒星です。

Herschel 36」は太陽と比較して約9倍大きく、質量は約32倍。そして温度は4万Kと考えられています。そして、100万歳程度と非常に若く活動的な恒星であり、質量から計算すると今後の活動期間は500万年と予測されます。ちなみに太陽の寿命は約100億歳であり、現在は半分の約50億歳に達しています。寿命に大きな差がでるのは質量が関係しています。

この画像はハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3「WFC3」の4種類の可視光波長によって捉えられたもので、2018年4月に公開されました。

 

Image Credit:NASA、ESA、STScI
https://www.spacetelescope.org/news/heic1808/