宇宙に無数に存在する銀河は長い宇宙の歴史において、すれ違ったり合体して新しい銀河に進化する事があります。この「Arp 256」と名付けられた天体は、くじら座の方向約3億5000万光年先に位置している2つの接近した銀河からなる相互作用銀河です。
「Arp 256」の2個の銀河は衝突合体の初期状態にあり、数百万年と言う長い時間をかけて1個の銀河になると考えられています。また、全体に広く分布された青い箇所は、銀河の相互作用によって引き起こされた星形成活動による結果で、青く若い星々で構成されています。歪んだ渦巻腕の先に伸びる尾の様な姿が印象的ですね。
また、「Arp 256」や以前にも紹介した「Arp 148」や「Arp 273」などの奇妙かつ美しい特異銀河は、ホルトン・アープによる天体カタログ「アープ・アトラス」に収録されています。この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」と広視野カメラ3「WFC3」の合計5つ波長の合成画像で、2018年3月に公開されたものです。
Image Credit:ESA/Hubble, NASA
https://www.spacetelescope.org/images/heic1805a/