青い光の中にいる。周囲の物質を食べ尽くす活動銀河核

白い霧の様に広がる天体の中に、青く鮮やかな構造を持つ銀河があります。その前景には散りばめられた輝く星々。そして、周囲は星の様にも見える複数の銀河を発見することができます。この画像は、ハッブル掃天観測用高性能カメラ「ACS」が撮影したIC 4870」と周辺の銀河や星々を捉え、2018年6月に公開されたものです。

くじゃく座の方向約2800万光年先に位置する「IC 4870」は、今から100年以上前の1900年にアメリカの者デリール・スチュワートによって発見されました。

IC 4870」は活動的で明るい「核(AGN:active galactic nucleus)」を持っています。核は、電波・赤外線・紫外線・X線・ガンマ線など様々な波長を放出し、非常に明るい光を発しています。このエネルギー源は「IC 4870」の場合、銀河の中心にある小さな領域に存在する超大質量の作用によるもの。このブラックホールは周囲の豊富にある物質を食べ尽くすまで活動を続けます。また、「IC 4870」はの中でも、特徴的な輝線を放つセイファート銀河に分類されています。

ハッブルは「IC 4870」の周囲にある幾つかのも捉えています。それらの活動銀河核の小規模構造を研究することで、銀河の衝突や合体、銀河中央の棒構造、放出されるジェット、銀河核と周辺環境とのなどの痕跡を見つけることができ、銀河の性質を解明するための重要な手掛かりになるのです。

 

Image Credit:ESA/Hubble & NASA
https://www.spacetelescope.org/images/potw1823a/