孤独な小銀河が起こす定期的な自己主張

日本ではあまり馴染みのない、南半球の「レチクル座」の方向約5000万光年先には「NGC 1559」という名前の、見過ごしがちな小さな銀河が存在しています。この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3「WFC3」の可視光波長で撮影し、2018年2月に公開されました。

「NGC 1559」は、明るい銀河核を持つ活動銀河であるセイファート銀河に分類されており、生まれたばかりの星団を巨大な渦巻腕に敷き詰めている形状が特徴。また、太陽質量のおよそ100億倍の銀河であると推測されていますが、我々の天の川銀河アンドロメダ銀河と比較すると約「100分の1」ほど軽い、格段に小さい銀河です。

「NGC 1559」は、大マゼラン雲の方向に見え、かじき座銀河群に属している様にも思えます。しかし、実際には銀河群と程遠い位置に存在しており、関連する銀河も(距離的に)近くにない孤独な小銀河なのです。しかし、遠くの宇宙から私達にその存在をアピールするかのように、1984年の「SN 1984J」、1986年の「SN 1986L」、2005年の「SN 2005df」、そして2009年の「SN 2009ib」といった複数の超新星が確認されている興味深い銀河であることも間違いありません。

 

Image Credit:ESA/Hubble & NASA
https://www.spacetelescope.org/images/potw1806a/