
オリオン座の方向、約6500光年先にある「モンキーヘッド星雲(モンキー星雲)」は、ニュージェネラルカタログで「NGC 2174」として知られています。この名は、猿の横顔のように見えることから付けられました。

モンキーヘッド星雲には、水素ガスが電離して光を放つHII領域があり、その美しい雲の中には散開星団「NGC 2175」が含まれています。この画像は赤外線フィルターを用いて撮影されたため、可視光で観測した際に特徴的なHα線(赤色)を示すHII領域の様子とは異なり、まるで都会の明るい曇り夜空のような印象になっています。雲の内部には、赤外線観測によって明らかになった、ガスと塵の薄い霧に包まれた若い星々を見つけることができます。
また、オリオン座には「猿」だけでなく、「馬頭(ホースヘッド)星雲」や「魔女の横顔(ウィッチヘッド)星雲」といった、頭部に例えられる星雲が存在する点も興味深いところです。
この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野惑星カメラ「WFPC3」を用い、3種の赤外線フィルター(1.05μm、1.25μm、1.6μm)を通して撮影され、2014年3月に公開されました。
Source
- Image Credit:NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)
- Hubble - New Hubble image of NGC 2174
文・編集/sorae編集部