初期の宇宙を知る球状星団。中に見つかるブラックホールと惑星状星雲

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた「M22」の名称で知られる球状星団の中心部分をクローズアップしたものです。

球状星団とは星が球状に密集した天体で、ほどんどの球状星団が100億歳以上の高齢の天体であることが分かっています。天の川銀河には約150数存在しており、その内の1つが今回紹介する「M22」です。
この星団の直径は約70光年で、中心部分に集まる星の年齢は120〜130億歳と推定されています。宇宙の年齢が約138億歳であることを考えると、最古までは行かないものの初期の宇宙を知っていることになります。また、「M22」には少なくとも2個のブラックホールの存在が指摘されており、更には惑星状星雲が観測されているなど、興味深い研究結果が出ています。この球状の星の集合体にはまだまだ知られざる沢山の発見があるかもしれませんね。

この画像は、射手座の方向約1万光年先にある「M22」の中心部分を、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用広域惑星カメラ「ACS」の可視光と赤外線のフィルターで撮影したもので、2015年4月に公開されました。

 

Image Credit:ESA/Hubble & NASA
■The crammed centre of Messier 22
https://www.spacetelescope.org/images/potw1514a/