始まった銀河の密接な関係

【今日の天体紹介:特異銀河 Arp 293(NGC 6285・NGC 6286)】

宇宙にある無数の様々な銀河の中で、一部の銀河は接近した他の銀河と密接な関係を築いています。それは、お互いの重力の影響によってガスや塵の流れの変化や、銀河の形状を大きく歪めます。重力による相互作用を受けた銀河は一般的な形状から個々の独特な形状に変化していきます。

この2つ銀河は、一見近くに見えるだけで関係ない様にも見えますが、まさに相互作用による影響を受け始めている銀河として紹介されています。りゅう座の方向に位置するこの銀河は、左の「NGC 6285」は2億6200万光年、右の「NGC 6286」は2億5200光年という遠くの渦巻銀河。この銀河は、ホルトン・アープによる特異銀河の天体カタログ「アープ・アトラス」に記載されており、2つの銀河を合わせて「Arp 293」と名付けられています。アープ・アトラスの天体の中でも、比較的落ち着いた特異銀河ですが、長い年月が大きな変化をもたらし、「バラの様な銀河」など奇妙で美しい宇宙のアート作品を描いていくかもしれません。

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3「WFC3」の複数の赤外線フィルターで撮影したもの。2019年11月25日にハッブルのサイトにて「今週の1枚」として公開されました。

Image: ESA/Hubble & NASA, K. Larson et al.
https://www.spacetelescope.org/images/potw1947a/