こちらの長ーい画像は、欧州宇宙機関(ESA)が9月19日に公開した火星の画像。撮影したのはESAの火星探査機「マーズ・エクスプレス」です。

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■北極から南半球までの範囲を長くカバー

マーズ・エクスプレスは2003年から火星を周回しており、今年で観測開始から16年。この画像は2019年6月17日に撮影されたデータを処理したものとなります。

画像の上の方に見える火星の北極からは、明るい雲が極冠の付近から南に向かて伸びている様子が見えています。中央右のやや白っぽいエリアはサバエア大陸と呼ばれる地域で、サバエア大陸の左(西)にはカッシーニ・クレーター、下(南)にはホイヘンス・クレーターが写っています。

また、画像の右下、火星の地平線に沿って白く広がっているのは、南半球にあるヘラス平原です。平原と呼ばれていますが、その正体は天体衝突によって形成された巨大なクレーターと考えられています。

先日は堆積層の崩落によって舞い上がった埃や砂丘の様子を捉えた火星表面のクローズアップ画像をお伝えしましたが、こうして全体を捉えた画像には、クレーターが多く残る赤茶けた火星らしい大地の特徴がよく捉えられています。

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なお、今回の画像はESAのspace in imageから高解像度版をダウンロードすることが可能です。縦横の比率がおよそ3:1なので、スマートフォンの壁紙にも設定しやすいのが嬉しいポイントです。

 

Image Credit: ESA/DLR/FU Berlin
source: ESA
文/松村武宏

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