宇宙に浮かぶ「貝と生体鉱物」の様な星雲

【本日の天体紹介:NGC 1501】
吹き出す泡、または体内の細胞の様な形をしている「NGC 1501」は、きりん座の方向約5000光年先に位置した惑星状星雲です。1787年に天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見されました。

「NGC 1501」は楕円状の雲が敷き詰められた複雑な構造をしています。画像の中央に目立つ星がこの星雲の中心星で、わずか30分程度の時間で明るさが大きく変化するという変光星であることも分かっています。変光星自体は他にも多数確認されていますが、この様な惑星状星雲の中心が変光星であるというケースは珍しいといいます。

なお、一際目立つ輝きの中心星が「貝殻の中にある真珠」に例えられたことで「オイスター星雲/牡蠣星雲(Oyster Nebula)」と呼ばれています。
真珠と言えばアコヤ貝のイメージですが、牡蠣に関しても球体では無いものの真珠の様な生体鉱物(バイオミネラル)を生成する能力そ備えています。もしも、この星雲の中心星がより大きくより美しい輝きを放っていた場合、「オイスター星雲」ではなく「アコヤ貝星雲(pearl oyster Nebula)」なんて名付けられていたのかもしれませんね。

 

Image Credit:ESA/Hubble & NASA; acknowledgement: Marc Canale
■Hubble View of Bubbly Nebula
https://www.nasa.gov/content/goddard/hubble-view-of-bubbly-nebula