画像は中国の500メートル球面電波望遠鏡「FAST」
Space.comの報道によると、中国政府は世界最大となる110メートルの可動式電波望遠鏡「QTT(Qitai 110-meter Radio Telescope)」の建設計画を認可したと伝えています。
中国では上画像のように500メートル球面電波望遠鏡「FAST」が2016年から稼働していますが、こちらは固定式の電波望遠鏡。多数のパネルを動作させることで観測範囲を広げられますが、それにも限りがあります。一方QTTは鏡面が稼働することで、夜空天球の3/4の範囲の観測が可能となる予定です。
QTTの建設場所は中国北西の新疆ウイグル自治区が予定されています。現時点での世界最大の可動式電波望遠鏡はウェストバージニア州にあるグリーンバンク望遠鏡で、その開口面は100メートル。QTTの開口面はわずかにそれを上回る程度ですが、これによる観測結果の違いは大きなものになると予測されています。
QTTはダークマターや重力波、パルサー、あるいは地球外生命体の探査に役立つことが期待されます。FASTに宇宙ステーション「天宮」と、中国の宇宙開発や観測における重要度と貢献はますます高まりそうです。
Image Credit: NAO/FAST
■China Plans to Build the World's Largest Steerable Radio Telescope
https://www.space.com/39508-china-worlds-largest-steerable-radio-telescope.html
(文/塚本直樹)
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