愛称がない最小の惑星状星雲

宇宙に浮かぶ雲の様に白く明るい「NGC 7027」は地球から約3000光年の距離にある、はくちょう座の惑星状星雲です。

誕生して約600年と若く、非常に明るい「NGC 7027」は、見つかっている中でも最も小さい惑星状星雲です。地上からの観測では、はっきりとした形状は確認できず、1個の明るい恒星の様にも見えます。ハッブル宇宙望遠鏡による宇宙からの撮影では、外層を剥ぎ取られた白色矮星や広がるガスや塵、太陽の3倍程度の質量を持つと思われる銀河ハローなどが明らかになりました。

また、ハッブル宇宙望遠鏡の広域惑星カメラ「WFPC2」の赤外I・光学V、赤外線カメラ「NICMOS」の赤外Near-IR(1.9μm/2.12μm)を用いた可視/赤外線画像では、白く高温な中央部分を取り囲む水素ガスなどの形成状態の詳細が解明されています。

▲光学・赤外線カメラが解明する惑星状星雲の構造

なお、特徴的で様々な研究者に知られている「NGC 7027」ですが、不思議とNGCNew General Catalogue)以外の名前が付けられていません。それもまた特徴なのでしょう。

 

Source

  • Image Credit:Hubble Legacy Archive, ESA, NASA; Processing: Delio Tolivia Cadrecha / William B. Latter (SIRTF Science Center/Caltech) and NASA/ESA
  • APOD - Bright Planetary Nebula NGC 7027 from Hubble

文/sorae編集部