2016年7月に木星に到達し、現在もミッションを続けているNASAの探査機「ジュノー」の活躍により、木星の真の姿が明らかになりつつあります。そして今回報告されたのは極域の巨大な嵐(サイクロン)や予想より強力な磁場、それに木星コアがそれほど密集していない……などなど、どれも極めて興味深いものです
まず、探査機は木星の極域、明暗境界線にて地球直径の半分ほどもある嵐を観測します。またこのような嵐は木星の極の姿を常に変化させています。さらに、赤道付近にてアンモニアの帯も発見。そして重力マッピングにより、木星は従来予測されていたようなコンパクトなコアを持っていない、つまり木星のコアは大きく、密度が高くないことになります。
そして木星の接近観測のさなか、木星の磁気は想像より遥かに強弱に富んでいることが判明。これにより、木星の磁気は地球などに比べてもっと表面近くで生成されていることが予測されます。そして最後に木星名物の巨大オーロラですが、どうやら高エネルギー粒子が大気圏内に落下して……ではなく、大気圏外に吸い上げられて発生していることが示唆されています。地球とは逆方向……こちらもなんとも不思議です。
今後ジュノーは2018年7月まで観測を続け、その後木星大気に突入してミッションを終える予定です。今後もどんな観測結果が地球に送られてくるのか、実に楽しみですね!
Image Credit: NASA
■NASA’s Juno spacecraft finds planet-sized cyclones and a dynamic magnetic field at Jupiter
https://www.theverge.com/2017/5/25/15687002/nasa-juno-spacecraft-jupiter-orbit-cyclones-ammonia-belt
■A Whole New Jupiter: First Science Results from NASA’s Juno Mission
https://www.nasa.gov/press-release/a-whole-new-jupiter-first-science-results-from-nasa-s-juno-mission
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