研究者達により、地球から約750光年先にあるとある天体「SDSS J0104+1535」が記録的に重い褐色矮星であることが判明しました。
褐色矮星とは惑星よりは大きく、しかし軽水素による核融合を起こすことができなかった天体を指します。チリにあるヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTによる新たな観測により、この天体の詳細が明らかになったのです。
SDSS J0104+1535は誕生から100億年が経っていると予測され、その質量はおよそ木星の90倍。しかし太陽は木星の1050倍もの質量を持っており、ずっと軽いSDSS J0104+1535は核融合を続けることができなかったのです。また、その構成物質のうち水素とヘリウムを除いた割合は0.01パーセント。これにより、SDSS J0104+1535はもっとも「ピュア」な褐色矮星であることも判明しています。
今回の研究の主筆を努めたカナリア諸島の天文物理学協会のZengHua Zhang氏は「このようにピュアな褐色矮星を発見できるとは、まったく期待していませんでした」と述べています。もしかすると今後も、このような非常に重い褐色矮星が見つかるかもしれませんね。
Image Credit: John Pinfield
■Record-Breaker! Heftiest and Purest 'Failed Star' Identified
http://www.space.com/36242-most-massive-purest-brown-dwarf.html
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