今年8月に発見された、地球によく似た惑星「プロキシマb」。この惑星は水が液体で存在可能な場所にあるという「ハビタブル惑星」なだけでなく、地球から約4光年先という近さも注目されています。そして今回、そのプロキシマbに海が存在しているかもしれないという研究が報告されているのです。
今回の発表を行ったフランスとアメリカの共同研究によると、地球の1.3倍ほどの質量のプロキシマbにいくつかの大きな海が存在、あるいは水に覆われている可能性があるとしています。
フランスの研究チームは、まず恒星「プロキシマ・ケンタウリ」を周回するプロキシマbの半径が地球半径の0.94〜1.4倍だとシミュレート。もし0.94倍の場合、惑星質量の2/3は金属コアとそれを覆う岩石のマントルから成り立ち、液体の水が質量の0.05%を占めることになります。これは、地球の0.02%よりも大きな数値です。そして半径が1.4倍だとした場合、質量の50%が水でできていることになります。この場合、プロキシマbは水深200kmの海で覆われることになります。
そしてもちろん、実際にプロキシマbに海が存在していれば「地球外生命体の存在の可能性」は大きく上がります。科学者によれば、「どちらのケースにせよ、薄いガス状の大気が惑星を覆い、プロキシマbが生存可能であることを意味します」とのこと。火星のようにかなり乾いてしまった惑星よりも、こちらの水に満ちた惑星のほうが、なんだか生命がいそうな気さえしてしまいますね!
もちろん、生命の存在の可能性を確認するにはより多くのデータが必要です。今後は2018年以降の稼働を目指すジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡やその他のツールを利用し、プロキシマbの観測が行われることでしょう。地球外生命体は太陽系にいるのか、あるいは他の惑星系にいるのか…。どちらから早く見つかるのか、実に楽しみです。
Image Credit: ESO/M. Kornmesser
■Earth's Closest Exoplanet Might Be a Giant Water World
https://www.inverse.com/article/21981-proxima-b-giant-liquid-ocean-water-world
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