土星といえばボヤンとした黄土色の表面を思い浮かべる人も多いと思いますが、実はその表面はこんなに表情豊かなんです。今回の画像は、NASAの探査機「カッシーニ」がとらえた複雑な渦巻き模様を描く雲です。まるで、水面に絵の具を垂らしたような色合いですね。
今回の画像は土星の北半球で撮影されました。撮影にはカッシーニのカメラの分光フィルタを利用することで、このように特定の色のみを観測することができたのです。さらにNASAのジェット推進研究所のKevin Gill氏がカッシーニの広角カメラでとらえた画像を複数合成することで、今回の画像は作成されました。
Gill氏が利用したのは、可視光線〜近赤外線の619nm、727nm、750nmの波長です。ですので、実際の肉眼ではこのように土星の表面を観察することはできません。また土星からの赤外線を観測することにより、科学者は土星の大気がどのように太陽光を吸収しているのかを知ることができるのです。
カッシーニは1997年に打ち上げられて以来、金星から地球、木星とスイングバイを重ねて2004年に土星に到達しました。今現在も観測を続けるカッシーニですが、2017年には土星大気に突入することでその生涯を終えます。土星の衛星「タイタン」に海や川を発見した偉大な同探査機ですが、残された活動期間でまた驚くような発見ができるといいですね。
Image Credit: NASA
■Saturn Goes Psychedelic in Crazy, Colorful Infrared Photo
http://www.space.com/33735-saturn-crazy-psychedelic-colors-cassini-photo.html
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