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20160707nhitomi
 
X線天文学だけでなく、銀河やブラックホールなどの解明に大きな貢献が期待されていた「X線天文衛星『ひとみ』」。残念ながら3月に発生した異常回転により喪失したことが公式発表されているのですが、その故障の前に「銀河団における星間ガスの動き」を観測していたことが報告されました。
 
科学雑誌のNatureに報告された内容によると、この観測は地球から2億5000万光年離れた銀河をX線で観測することにより行われました。その結果、星間ガスは秒速164kmで移動していることがわかったのです。これは銀河の移動スピード(秒速数千マイル)や従来の研究者の予測に比べれば、だいぶゆっくりとしたものとなります。
 
この発見はそれはそれで価値があるのですが、ひとみに期待されていたミッションと比べれば残念ながら小さな発見と言わざるを得ません。ケンブリッジ大学の天文学者のAndrew Fabian氏も、「(ひとみへの)期待は大きかったものの、(喪失という)結果には非常にがっかりしています。まるでドアが一旦開かれ外の世界が見えたのに、すぐにそのドアを閉められてしまったような感覚です」と述べています。
 
現在、ひとみの代替機として「通称:ひとみ2」を2020年代前半に打ち上げようという動きがあるとも報じられています。同じ失敗は繰り返したくないものの、はやりそのミッションの重要性を考えればなんとしても「ひとみ2」が欲しい…。なんとも複雑なジレンマです。
 
Image Credit: NASA
■Japan’s Hitomi spacecraft measured the movements of a galaxy cluster just before it died
http://www.theverge.com/2016/7/6/12105418/japan-hitomi-space-telescope-spacecraft-galaxy-cluster

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