20160526nb
 
私たちの銀河系の中心にも存在するとされている「巨大ブラックホール」。あらゆる物質から光までも飲み込んでしまう脅威の存在ですが、これまでその形成過程には多くの謎がありました。そして今回、イタリアの研究者がその過程の謎の一部を解き明かしたと報告しています。
 
銀河の中心にあるようなブラックホールは太陽の数十億倍も質量があり、そして約130億年前に形成されたと考えられています。これは宇宙の年齢から10億年ほど若いものです。そして研究者はNASAのチャンドラX線観測衛星やハッブル宇宙望遠鏡、スピッツァー宇宙望遠鏡を利用することで、「ガスの崩壊が巨大ブラックホールやその『種』を形成した」というのです。
 
今回の研究を主導したのは、イタリアのScuola Normale Superioreの研究員のFabio Pacucci氏。彼のチームは2つのブラックホールの種を長時間露光で観察することにより、それらがビッグバンから数十億年以内に形成されたことを解明します。そして、これらの巨大ブラックホールは「最初から巨大なサイズで誕生し、通常の速度で成長した」ことがわかりました。
 
「私たちの観測により、巨大ブラックホールの種はガス雲の崩壊によって直接形成され、成長の多くの段階をスキップすることができたのです」
 
科学者は今後、2つのブラックホールの種を観測することによりさらなるブラックホール形成の詳細を解き明かすとしています。そして、より多くの巨大ブラックホールをより観測する必要があるとしてます。研究の共同著者のAndrea Grazian氏はこのように語っています。
 
「ブラックホールの種は非常に発見するのが難しく、その方向の確認も非常に難しいのです。しかし、私たちの研究は最も確からしい可能性を解き明かすことができました」
 
直接観測することができないブラックホールの謎を解き明かすのは非常に難しそうですが、それでも宇宙の謎が徐々にわかるのにはワクワクしますね! いずれ、人間は宇宙の始まりから仕組みまでの全てを解き明かしてしまうのでしょうか?
 
Image Credit: NASA
■Mystery of Massive Black Holes May Be Answered by NASA Telescopes
http://abcnews.go.com/Technology/mystery-massive-black-holes-answered-nasa-telescopes/story?id=39364430

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