水星の全地形図が史上初めて作成される

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昨日は太陽と地球の間を通るという天文ショーをみせてくれた水星ですが、今回新たにその全地形図が初めて公開されました。上の図では紫〜青い部分が地形が低い部分緑が平均的な高さ黄色〜赤〜白が地形が高い部分を示しています。
 
今回の地形図を作成したのは、水星探査機「メッセンジャー」とNASAのチーム。メッセンジャーは2011年〜2015年にかけて水星にて観測を行ない、10テラバイト以上のデータを蓄積しました。その中には30万枚もの画像や数百万ものスペクトルデータも含まれています。またレーザー式の高度測量器が水星の山や谷を観測し、今回のような地形図を作成することに成功しました。
 
水星での観測の結果、水星の最も高い地点は平均的な高さから4480メートルで、赤道より南の古い場所に位置しています。また最も低い地点はマイナス5380メートルで、Rachmaninoff basinと呼ばれるクレーターに位置します。地球の最高地点が8848メートル、もっとも低い地点がマイナス1万メートルを超えることを考えると、水星はそれほどゴツゴツしていない、サイズなりのなだらかな地形とも言えます。
 
下の動画では、水星の地形図をぐるっと一周して見ることができます。水星は自転と公転が共鳴しているため、場所によって温度が100ケルビンから700ケルビンと大きく変わります。動画の地形を見ながら、どのあたりが熱いのかな〜なんて思いを馳せるのもいいですね!
 

 
Image Credit: NASA
■First global Mercury map shows its hills and valleys in detail
https://www.newscientist.com/article/2087347-first-global-mercury-map-shows-its-hills-and-valleys-in-detail/