地球を覆うように存在している、小さな、しかし大きな問題を起こす「スペースデブリ」。そのサイズはさまざまですが、秒速数キロメートルという超高速で移動しているため宇宙船などに衝突すれば一大事。その恐ろしさは、アニメ「プラネテス」で知った人も多いでしょう。
そして今回、「1957年から2015年までの間にスペースデブリがどれだけ増えたか」を可視化した動画が公開されました。
今回の動画はユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのStuart Grey博士などによってまとめられました。スペースデブリとは軌道上に漂う「ゴミ」で、古い人工衛星やロケットから切り離された部品、人造物の分解などに由来しています。動画を見ても、年を追うごとにスペースデブリが増えていき、2015年には地球がスペースデブリに覆われるまでになったことがわかります。
そして現在、軌道上には5センチ以上のスペースデブリが2万個近く漂っているとされています。しかもこれは地上から追跡されているデブリの数で、すべてのサイズのスペースデブリを合計すると1億7100万個が存在していると予想されているのです。
スペースデブリによる事故はすでに何件か起きており、人工衛星が故障するなどの影響を受けています。現在はこのようなデブリの発生を防ぐために、ロケットや人工衛星は最終的に墓場軌道に乗せるか、大気圏に突入させるなどの手法が取られています。しかし、現時点では既存のデブリを回収する目処は立っていません。
もしかしたら、将来はアニメのように本当にスペースデブリを回収するための会社や宇宙船が用意されることになるかもしれませんね。
Image Credit: University College London, Space Geodesy and Navigation Laboratory
■58 years of space debris orbiting Earth visualized
http://www.geek.com/science/58-years-of-space-debris-orbiting-earth-visualized-1654056/