未だに謎の多い、人類の進化の過程。ダーウィンの進化論など色々とその過程を説明する方法はありますが、最新の研究では近距離で起きた超新星爆発が人類の進化に影響したと指摘しているんです。
超新星爆発とは、質量の大きな星が寿命を迎えた時に大爆発を起こす現象です。この超新星爆発ではさまざまな重い元素が放出されることが知られています。そして、数百万年前に起きた2つの超新星爆発に由来すると思われる放射性物質「iron-60(鉄の同位体)」が海洋地殻の深部から発見されました。
このiron-60の半減期は260万年。地球や太陽系が作られたのが45億年前ですので、太陽系の誕生時に作られたiron-60はとっくに消え去っているはずです。つまり、地球で発見されるiron-60は太陽系外からやってきたことになります。
そしてベルリン工科大学の天体物理学者のDieter Breitschwerdt氏は、太陽系を内包する「局所泡」の星団の動きを観測。この局所泡は以前から超新星爆発の結果誕生したと考えられていたのですが、Breitschwerdt氏はヒッパルコス人工衛星のデータを解析し、iron-60の分布から2つの超新星爆発が太陽系の近くで起きたことを突き止めました。この2つの超新星爆発は1つが太陽系から296光年離れた場所で230万年前に、もう1つは313光年離れた場所で150万年前に起きたものと推測されます。
Breitschwerdt氏によると、放射性物質の到来は突然変異体の発生のトリガーになったそうです。「突然変異体の増加は進化に直接影響した可能性がある。例えば、脳の容量が大きくなったりね」。ふむ、つまりこのようにして人類が知性を獲得した可能性があるってことですね。
人類の知性の獲得が宇宙からの物質によって引き起こされたなんて聞くと、少しロマンチックな気がするのは僕だけでしょうか。
Image Credit: Michael Schulreich
■Nearby Supernova Explosions May Have Affected Human Evolution
http://www.space.com/32481-closest-supernova-star-explosions-human-evolution.html
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