水星はどうして黒っぽいの? 最新の研究が解き明かす

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太陽系で最も太陽に近い惑星「水星」。太陽系で最も小さいこの惑星は、その名に似合わず黒ずんだ色をしていることでも知られています。水星なら、水色でもいいのに…。でもこの星が黒くなったのにはちゃんと理由があるんです。今回、水星を調査していたNASAの探査機「メッセンジャー」がその理由を解き明かしてくれました。
 
いきなり正解をいうと、水星は「グラファイト(黒鉛)」に覆われているから。黒鉛、つまり鉛筆の芯と同じ素材。そりゃー水星も黒くなります。なお、メッセンジャーは2004年に打ち上げられ、地球や金星でスイングバイをした後に2011年に水星の周回軌道に投入。その後、2015年の5月に水星に落下してミッションを終えました。
 
科学者の予想によれば、水星は以前はマグマに被われた灼熱の惑星でした。しかし数百万年が経つうちに徐々に地表は冷却され、「厚さ1kmにも及ぶ黒鉛に似た層」が水星を覆ったのです。また火山活動や宇宙空間の岩石がゴツゴツした地表を覆い、いまの水星を形作りました。科学者は水星のオリジナルな岩石の成分を特定することができれば、水星の成り立ちを理解できると期待しています。
 
これまで水星は太陽系の惑星の中でも理解が進んでいなかった惑星の一つですが、現在JAXAと欧州宇宙機関 (ESA)は共同で水星探査計画「ベピ・コロンボ」を進めています。探査機の打ち上げは2016年度を予定しており、今後さらに水星の理解が進むことが期待されています。
 
Image Credit: NASA
■NASA Mercury Messenger spacecraft reveals 'secret' of planet's famously dark surface
http://www.mirror.co.uk/news/technology-science/nasa-mercury-messenger-spacecraft-reveals-7513249