冥王星の山脈がティラミスみたいでおいしそう

2015年7月に冥王星にフライバイ(接近飛行)し、多くの画像を撮影した無人探査機「ニュー・ホライズンズ」。そのデータは非常にゆっくりとですが、着実に地球へと送信されています。今回NASAが公開したのは、冥王星の南半球で撮影された「メタンの雪に覆われた山脈」の画像です。カカオのような茶色やミルクのような白色に囲まれ、不思議と食欲をそそる一枚ですね。

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この画像は冥王星の「クトゥルフ」と呼ばれる地域を撮影したものです。アラスカほどの大きさを持つクトゥルフ地域には、約260マイル(約420km)にわたる山脈が存在します。冥王星の大気は約90%が窒素、約10%がメタンで構成されており、この山脈を覆う雪も、かつては冥王星の大気に存在したメタンが凝縮したものと考えられています。

ニュー・ホライズンズのサイエンスチームに所属するジョン・スタンスベリー氏は、冥王星の地形について次のように解説しています。「山脈の頂上付近のみにメタンが見られることから、メタンの氷が地球の大気中の水蒸気と同様に、高度の高い場所で凝縮したことを示しています」。メタンの氷…ちょっと美味しそうには思えませんね。

ニュー・ホライズンズが撮影したデータは、今年中を目処にすべて地球に送信される予定です。最近は太陽系の惑星から外されて少し寂しそうな冥王星ですが、新たな発見によって再び注目されることを願いたいですね!

 

編集/sorae編集部

参考文献・出典