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宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立天文台、米航空宇宙局(NASA)は3月10日、9日に太陽観測衛星「ひので」が撮影した部分日食の画像・動画を公開した。

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公開された画像・動画は、「ひので」が3月9日午前9時8分ごろ(日本標準時)に、高度680kmでインドネシア上空を飛翔している際、搭載されているX線望遠鏡(XRT)で撮影したもの。X線で輝く太陽コロナを背景に、新月状態の黒い月が太陽の南西(画像の右下側)から現われ、北に向けて太陽面を横切っていく様子がとらえられている。

「ひので」から見ると太陽のほとんどが隠される(最大食分0.978)、皆既食帯に入る一歩手前の部分日食となっている。「ひので」の飛行速度は時速約27,000kmと非常に早いため、部分日食の開始から終了まで、わずか約15分ほどの時間だった。

また「ひので」は、この撮影の前後に、皆既日食が観測されたインドネシアで地上観測を行ったチームと国際共同観測を実施。X線コロナ画像の撮影の他、コロナから発せられる紫外線輝線の観測を行った。これらのデータは、皆既日食時に可視光で見られるコロナ構造とX線ジェットの因果関係や、高温なコロナ物質の物理的状態を調べる研究に用いられる予定だという。

「ひので」はJAXA、国立天文台、NASAなどが共同開発した太陽観測衛星で、2006年に打ち上げられ、現在も運用が続けられている。

Image Credit: JAXA/国立天文台

■太陽観測衛星「ひので」が撮影した日食の画像・動画を公開
http://www.isas.jaxa.jp/home/solar/eclipse20160309/

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