アメリカ航空宇宙局(NASA)、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が運用する人工衛星「DSCOVR」が2016年3月9日、この日発生した日食によって、地球の表面に月の影が映った様子の撮影に成功しました。
画像では、皆既日食として見られたインドネシアを中心に、オセアニア、太平洋地域を、月の黒い影が通り過ぎていく様子が鮮明に写っています。
DSCOVRはNASAとNOAAの共同ミッションで、地球の表面から約150万km離れた、太陽・地球系のラグランジュ第1点から、太陽から地球に向けて飛んでくる太陽風の観測や、その太陽風の地球との相互作用の観測を行っています。
またこの位置は、地球の表面すべてに太陽光が当たった状態の「満地球」の写真を常時見ることができるという利点もあります。こうした満地球の写真は、1972年12月7日に「アポロ17」の宇宙飛行士によって初めて撮影され、宇宙に浮かぶ青いビー玉のように見えることから「ザ・ブルー・マーブル」と呼ばれています。
完全なブルー・マーブルを撮影するには、衛星の軌道や地球と太陽との位置関係が重要で、DSCOVRによって約43年ぶりに、1枚の画像による完全な「ブルー・マーブル」を撮影することができるようになりました。NASAではその画像を準リアルタイムで配信するサービスも行っています。
Source
- Image Credit: NASA
- NASA - An EPIC Eclipse : Natural Hazards
文/sorae編集部