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国立天文台は2015年11月26日、30メートル望遠鏡(TMT)の建設地が、ハワイ・マウナケアで最後の望遠鏡建設地となることを、ハワイ大学が正式発表したことと発表した。

TMTは国立天文台やカリフォルニア工科大学などとの国際協力で開発される巨大な望遠鏡で、2014年10月から、ハワイのマウナケア山頂で建設が進められている。しかし、マウナケアはハワイ先住民にとっての聖地でもあるため、建設差し止めの抗議が行われるなどの問題も起きていた。

今回の発表によると、ハワイ大学のDavid Lassner学長は、ハワイ州土地・天然資源局のSuzanne Case議長に書簡を送り、TMT計画の建設用地をマウナケアにおける望遠鏡計画として最後の新建設地とすることを正式に明らかにしたという。

書簡ではまた、すでに公表されているマウナケアの既存の望遠鏡3台の撤去計画についても明言されている。

TMT建設に向け、2015年5月にDavid Ige 州知事によってマウナケアの将来の管理に関する推進計画10項目が示されており、TMT建設用地をマウナケアでの望遠鏡計画が検討される最後のエリアとすることは、その中の第2項目で挙げられていた。また同推進計画の第3項目では、マウナケアの既存の望遠鏡台数の削減も課題として挙げられていた。これについては、すでにハワイ大学はTMT運用開始前に3台の望遠鏡を撤去し、その跡地には新規の望遠鏡建設を行わないという計画を発表している。

また、ハワイ大学がマウナケア山頂域をハワイ州から借り受けていることを踏まえ、書簡では「この内容は法的拘束力のある約束であり、ハワイ大学への山頂域のリースおよびその延長・更新の条件とみなされ得る」と述べられている。ハワイ大学によるこの約束によって、これら2項目が達成されたことになるとしている。

 

Image Credit: 国立天文台

■ハワイ大学、TMT建設地がマウナケアで最後の望遠鏡建設地となることを正式発表 | 国立天文台TMT推進室
http://tmt.nao.ac.jp/info/515