
防衛装備庁と三菱重工業などが開発をすすめる、国産ステルス実証機「X-2(先進技術実証機)」。そのX-2が4月22日に名古屋空港から航空自衛隊岐阜基地への初フライトに成功しました。操縦を行なった三菱重工のパイロットは「極めて安定した初飛行だった」と語るなど、同機の開発が進んでいることを伺わせます。
X-2はレーダーに探知されにくい「ステルス性能」や、「推力偏向機構」による高い機動性の実現を目標として2009年から試作開発が続けられています。同機は以前には「通称:心神」などと呼ばれたこともありました。また、X-2は実証機のためかなり小型で、武器などは装備されていません。
機体の開発は三菱重工業が、エンジンはIHIが担当。エンジンにはXF5型エンジンを2基搭載しています。また翼や胴体の形を工夫したり、特殊な本体素材を採用することでステルス性能の向上を図っています。
現在ステルス性能が特徴となる第5世代ジェット戦闘機としてはアメリカのF-22戦闘機やF-35戦闘機だけでなく、ロシアの戦闘開発計画「PAK FA(T-50)」や中国のステルス戦闘機「J-31(殲-31)」など、各国で配備、あるいは開発が進められています。また日本も2030年代に国産ステルス戦闘機の開発を目標としています。現在のX-2の開発は、そのための技術を蓄積するという目的もあるようです。
Image Credit: 防衛装備庁
■X-2(先進技術実証機)の初飛行結果について
http://www.mod.go.jp/atla/pinup280422.pdf
■X-2(先進技術実証機)初飛行を実施
http://www.mhi.co.jp/news/story/1604225747.html