かつて空を舞ったコンコルドは超音速旅客機でしたが、こちらはさらに上です。ロッキード・マーティンCEOのMarillyn Hewson氏は「マッハ6で飛行する極超音速機」の開発への投資を今後も継続すると、先日開催された同社のイベントで明かしました。
極超音速機(hypersonic aircraft)とは、音速を遥かに超えるスピードで巡航する飛行機を指します。ロッキード・マーティンは2013年にSR-71ブラックバードの後継となる極超音速無人偵察機「SR-72」の開発を表明していました。そして今回、同社は極超音速機の開発が進展しており、マッハ6を達成するための空力形状を作成していたと伝えています。
Hewson氏によると、ロッキード・マーティンは極超音速機のデモのためにステルス戦闘機「F-22」サイズの機体を10億ドル(約1,100億円)以下で作成できるそうです。アメリカ国防総省は「地球上のあらゆる場所に1時間以内で通常爆弾、あるいは核攻撃ができるメソッド」を求めていますが、SR-72は極極音速ミサイル「HSSW」との組み合わせでその性能を実現しようとしています。
SR-72は2018年に初飛行を行ない、2030年代に実戦配備が行なわれる予定です。2030年代といえばNASAによる有人火星探査が行われる予定ですが、大気圏内でも航空機は予想以上の進化を遂げようとしているのですね。
Image Credit: Lockheed Martin
■UPDATE 1-Lockheed Martin to invest more in hypersonic aircraft -CEO
http://www.reuters.com/article/lockheed-hypersonic-idUSL2N16N1M5
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