衛星をロケットで打ち上げるのは、地上の射出施設から…そんな常識も、近い将来変わるかもしれません。イギリスの宇宙関連会社のヴァージン・ギャランティック社は2015年12月3日、ジェット機で小型の衛星を宇宙に打ち上げるプロジェクト「LauncherOne」を発表しました。
このLauncherOneでは超大型ジェット機の「ボーイング 747-400」を利用します。そして、この747-400はヴァージン・アトランティック航空のお下がり。そう、この計画はヴァージン・グループ内でのジェット機の有効活用でもあるんです。以前は「Cosmic Girl」の相性で親しまれていた同社のこの機体が宇宙へ架け橋に使われるなんて、なんだか感慨深いですね。
ジェット機を衛星の打ち上げに使うメリットとして、ヴァージン・ギャランティック社CEOのGeorge Whitesides氏は「短期間で柔軟な打ち上げサービス」をあげています。確かに、高額なロケットを発射台にセットしてさまざまな気象条件をクリアしながら打ち上げるよりも、飛行機に乗っけてパッと射出してしまったほうがずっと手軽でしょう。
ヴァージン・ギャランティック社は9月に、LauncherOneの太陽同期軌道(太陽光線に対して常に一定の角度をを取る軌道)への衛星の搭載可能能力を200kgに倍増し、価格を1000万ドル(約12億円)以下にすると発表しました。また、他の衛星の場合には400kgまでの射出能力も所有しています。
LauncherOneのテスト飛行と打ち上げテストは2017年に行なわれる予定です。飛行機から衛星を搭載したロケットが射出される光景、はやく見てみたいですね!
Image Credit: CNN Money
■Virgin Galactic Welcomes ‘Cosmic Girl’ To Fleet Of Space Access Vehicles
http://www.virgingalactic.com/press/virgin-galactic-welcomes-cosmic-girl-to-fleet-of-space-access-vehicles/