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NASAがISSへの新たな民間ミッションでAxiom SpaceとVastを相次ぎ選定

NASA(アメリカ航空宇宙局)は2026年1月および2月、ISS(国際宇宙ステーション)への5回目と6回目のPAM(Private Astronaut Mission=民間宇宙飛行士ミッション)を担当する企業として、アメリカ企業のAxiom Space(アクシオム・スペース)とVast(バスト)をそれぞれ選定したと相次いで発表しました。

今回発表されたミッションのISSでの滞在期間は、それぞれ最大14日間の予定です。2030年のISS運用終了を見据え、政府主導から民間主導へと移行しつつある低軌道(LEO)への企業進出を象徴する、新たなステップとなりそうです。

Axiom Spaceによる5回目のPAM「Ax-5」

NASAの2026年1月30日付のプレスリリースによれば、PAM第5弾となる「Axiom Mission 5(Ax-5)」は、2027年1月以降に打ち上げられる予定です。

Axiom SpaceがNASAからPAMを獲得するのは今回が5回目で、同社はこれまでにクルーの重複を除いて計14名の宇宙飛行士をISSに送り届けてきました。直近では2025年6月~7月に「Axiom Mission 4(Ax-4)」を実施しています。

Axiom Spaceは商業宇宙ステーション「Axiom Station(アクシオム・ステーション)」の建設を計画しており、過去のミッションと同様に、Ax-5で得られる知見も宇宙ステーション開発に活かされることになります。

民間宇宙飛行士ミッション「Ax-4」のCrew Dragon宇宙船を搭載したFalcon 9ロケットの打ち上げ(Credit: SpaceX)
【▲ 民間宇宙飛行士ミッション「Ax-4」のCrew Dragon宇宙船を搭載したFalcon 9ロケットの打ち上げ(Credit: SpaceX)】
ISSに到着したAx-4のウェルカムセレモニーで集まった11名のクルー。マイクを持っているのは第73次長期滞在クルーのコマンダーを務めたJAXAの大西卓哉宇宙飛行士(Credit: NASA)
【▲ ISSに到着したAx-4のウェルカムセレモニーで集まった11名のクルー。マイクを持っているのは第73次長期滞在クルーのコマンダーを務めたJAXAの大西卓哉宇宙飛行士(Credit: NASA)】
Axiom Spaceの商業宇宙ステーション「Axiom Station(アクシオム・ステーション)」のCGイメージ(Credit: Axiom Space)
【▲ Axiom Spaceの商業宇宙ステーション「Axiom Station(アクシオム・ステーション)」のCGイメージ(Credit: Axiom Space)】

Vastが6回目のPAMで初めて選定

続いてNASAは2026年2月12日付で、PAM第6弾を担当する企業としてVastを選定したと発表しました。VastがPAMに選定されるのは今回が初めてです。

打ち上げは2027年夏以降を目指しており、Axiom Spaceと同様にアメリカ企業SpaceX(スペースX)社のFalcon 9(ファルコン9)ロケットとCrew Dragon(クルードラゴン)宇宙船が使用される予定です。

Vastは開発中の商業宇宙ステーション「Haven-1(ヘイブン1)」を2027年に打ち上げる予定で、2025年にはシステムのテストを目的とした実証衛星「Haven Demo(ヘイブン・デモ)」の打ち上げに成功しています。

また、同社はISSの後継となるモジュール式の商業宇宙ステーション「Haven-2(ヘイブン2)」の建設も計画しており、今回のミッションを通じて有人宇宙飛行の運用能力をさらに強化する構えです。

クルー滞在中の宇宙ステーション「Haven-1」のCGイメージ(Credit: Vast)
【▲ クルー滞在中の宇宙ステーション「Haven-1」のCGイメージ(Credit: Vast)】

商業宇宙ステーション時代への転換が進む

現在、ISSは運用の終盤を迎えており、その後継として複数の商業宇宙ステーション計画がAxiom SpaceやVastなどによって進められています。こうした企業がISSでの運用実績を積み重ねることは、ISS退役後の“空白期間”を生じさせずに商業宇宙ステーションの運用を開始するための、不可欠な準備段階と言えるでしょう。

タイムリミットの2030年を3年後に控えた2027年に実施される2つのPAMは、ISSから商業宇宙ステーションへの橋渡しとしての重要な役割を担うことになります。

これまで4回連続でPAMを担ってきたAxiom Spaceだけでなく、新たにVastが選定された背景には、ミッションの頻度を上げることに加え、複数の企業に経験を積ませることで競争を促し、商業宇宙ステーションへの移行を確実に進めたいというNASAの戦略的な思惑もありそうです。

NASAのJared Isaacman長官は、プレスリリースを通じて「民間宇宙飛行士ミッションは、ISSへのアクセス手段を提供するだけではありません。新しいアイデア・企業・能力を生み出す機会を作り出し、低軌道におけるアメリカのリーダーシップを強化するとともに、未来への扉を開く取り組みです」とコメントしています。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典