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米航空宇宙局(NASA)は7月30日、国際宇宙ステーション(ISS)に設置される新型のドッキング機構「IDA」の2基目の開発状況について明らかにした。

IDA(International Docking Adapter)は、ボーイング社の「CST-100」や、スペースX社の「ドラゴンV2」などがISSにドッキングするために使われる、新型のドッキング機構である。またNASAの「オリオン」宇宙船も搭載する予定となっている。

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現在、ISSにはいくつかの種類のドッキング・ポートがあるが、たとえば「こうのとり」やドラゴン補給船、シグナス補給船などの結合に使われている共通結合機構(CBM)は、自動でドッキングすることができず、ISSのロボット・アームを使わなければ結合できない。また、ロシアの宇宙船や補給船が使っているドッキング機構は構造が特殊で、さらにロシア製であるため米国にとっては入手しづらく、ドッキング時の衝撃が大きいという問題もある。

IDAはかつてスペース・シャトルがISSにドッキングする際に用いられた「APAS-95」というドッキング機構をもとに開発されており、ドッキング面のリングの周囲に、花びらのような部品を3枚もつ。この花びら同士の隙間に、ドッキングする側の宇宙船が持つIDAの花びらを合わせて、前に押し込むことで、お互いの位置がずれていても、リング同士を結合させることが可能となっている。

ドッキング後は、IDAの中央を通って人やものの行き来ができるようになり、また結合面には電力やデータのやりとりをするためのインターフェイスも備わっている。リングの外周には、宇宙船がドッキングする際の指標となるターゲットや、レーザーを使って距離などを測るためのレーザー反射器などが取り付けられている。

IDAはこれまでに2基が製造されており、ISSのノード2「ハーモニー」モジュールの前方側にある与圧結合アダプター2(PMA-2)と、天頂側にあるPMA-3の、2か所に設置することが計画されていた。しかし、PMA-2に設置される予定だった1基目のIDA-1は、今年6月28日にドラゴン補給船運用7号機が打ち上げに失敗したことで失われた。

一方のIDA-2は、現在フロリダ州ケネディ宇宙センターで打ち上げに向けた試験を受けている最中にある。今回の発表が行われた時点では、試験施設内で水平に設置されCST-100とドッキング模した試験が行われたという。

IDA-2はドラゴン補給船運用9号機(CRS-9)に搭載されて打ち上げられることになっている。当初、打ち上げは今年12月ごろに計画されていたが、ドラゴンCRS-7の失敗によって、ドラゴン補給船やそれを打ち上げる「ファルコン9」ロケットの打ち上げ再開の目処が立っていないため、現時点では予定は未定となっている。

 

■IDA-2 Goes Horizontal for Pre-Launch Testing | Commercial Crew Program
https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/2015/07/30/cst-100-docking-system-tested-with-ida-2/

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