OK-1.02
Image credit: NPO Molniya
 ソヴィエト版スペース・シャトル「ブラン」の、未完に終わった2号機や試験機を、博物館などに保存しようという呼びかけが、インターネット署名サイト「change.org」で始まった。
 呼びかけているのはウルグアイに住むvictor grippoliさんで、200人を目標に賛同者を募集している。集まった署名は、所有権を持つロシア連邦政府やロシア連邦宇宙庁、未完に終わったブランの2号機や試験機が眠るバイコヌール宇宙基地のあるカザフスタン共和国政府、国際連合などに送られるという。
 ブランは米国のスペース・シャトル(スペース・トランスポーテーション・システム)に対抗するため、1974年から開発が始まった。米国のスペース・シャトルと同等の性能を得るために、大きさや形状は似せて造られているが、打ち上げ方法や仕組みなどはまったく異なっている。
 複数の試験機が造られて試験が繰り返されたのち、実際に宇宙を飛行できる機体であるOK-1.01、愛称「ブラン」が完成した。そしてモスクワ時間1988年11月25日6時ちょうど、無人にブランを載せたエネルギヤ・ロケットがバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。打ち上げは成功し、ブランは地球を2周した後、逆噴射を行い、大気圏へ再突入した。強風の吹き荒れる中、ブランは同9時24分42秒、バイコヌール宇宙基地内にあるユビレーイニィ空港へ着陸した。
 ブランはその後、MIK-112と呼ばれる格納庫に収められた。ブランに続く2号機や、第2世代機の製造も進んでいたが、1993年にロシア連邦は、ブラン計画の中止を決定した。ブランはMIK-112の中で幽閉され続けることになり、2号機以降の機体は製造が中止された。
 そして2002年5月12日には、MIK-112の屋根が崩壊し、ブランは屋根もろとも破壊されている。
 開発時に製造された試験機の多くは現在も現存しており、バイコヌール宇宙基地の施設や、ロシアのエネールギヤ社の本社で保管されているものもあれば、モスクワやドイツの博物館などで展示されているものもある。
 またブランの2号機にあたる「OK-1.02」もバイコヌール宇宙基地内に、第2世代機の1号機にあたる「OK-2.01」は、モスクワ州ジュコーフスキィにあるラーメンスコィエ空港で保管されている。その他の機体は解体され、現存していないか、あるいは残っていても機首部分のみ、という状況にある。
 また今年6月には、写真家のRalph Mirebsさんが、バイコヌール宇宙基地内にあるMZKと呼ばれる施設に入り、中で保管されているOK-1.02と多目的試験機OK-MTの写真を撮影、同氏のブログ上で公開された。あまり知られていないソ連版スペース・シャトルが、埃にまみれて眠っている姿は、世界的に大きな話題になった。
 今回の署名キャンペーンでは、具体的にどの機体をどうするのかについては触れられていないが、おそらくはMirebsさんの写真に触発されて始まった運動と考えられるため、OK-1.02とOK-MTをきれいな状態にし、しかるべき場所で展示することを目指していると思われる。
(署名の詳細や署名方法などは、下記ウェブページをご参照ください)
■キャンペーン · save the remaining shuttles in a museum. · Change.org
https://www.change.org/p/russian-goverment-kazakhstan-goverment-roscosmos-united-nations-save-the-remaining-shuttles-in-a-museum

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