Soyuz U launches Progress M-28M
Image credit: Roskosmos
 ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は7月3日、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を補給する「プログレスM-28M」補給船を載せた、「ソユーズU」ロケットの打ち上げに成功した。プログレス補給船の打ち上げは、今年4月に失敗して以来初のこととなった。
 また、ISSへの物資補給をめぐっては、昨年10月と今年6月にも、米国の補給船がロケットの打ち上げ失敗によって失われており、今回のプログレス補給船の打ち上げは、普段以上に重要なものとなった。
 ロケットはカザフスタン時間2015年7月3日10時55分50秒(日本時間2015年7月3日13時55分50秒)、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の1/5発射台、通称「ガガーリン発射台」から離昇した。ロケットは第1段、第2段などを分離しつつ順調に飛行し、打ち上げから約9分後にプログレスM-28Mを分離、計画通りの軌道へ投入した。その後、米軍の宇宙監視ネットワークも、計画通りの軌道を回っていることを確認している。
 ロケットからの分離後、プログレスM-28Mはアンテナや太陽電池パドルの展開にも成功し、現在順調に、単独での飛行を続けている。今後、数回の軌道修正を行った後、日本時間7月5日16時13分ごろに、ISSとドッキングする予定となっている。
 プログレスM-28Mには、水や食料、酸素、実験機器や材料、機器の予備部品など、2381kgの補給物資が搭載されている。これらは到着後、ISSに滞在している宇宙飛行士らによって取り出され、またそれと入れ替わりに、ISSで発生した不要物(ごみ)などが積み込まる。プログレス補給船は最終的に、地球の大気圏に再突入して燃え尽きて運用を終えるため、ごみも一緒に処分されることになる。
 プログレス補給船は1978年に1号機が打ち上げられて以来、これまでに約150機近くが打ち上げられているが、今回のミッションはその歴史の中で、おそらく最も重要なものとなっている。
 ISSは自給自足ができないため、水や食料、酸素といった物資を、地球から定期的に補給しなければならない。そのための補給船として、ロシアはプログレスを、米国はドラゴンとシグナスを、そして日本は「こうのとり」(HTV)を持っている(米国のスペース・シャトルと、欧州の補給船「ATV」はすでに引退)。
 しかし、昨年10月28日(日本時間29日)には、シグナス補給船運用3号機を搭載したアンタレス・ロケットが打ち上げに失敗、補給物資はすべて失われることになった。また今年4月28日にはプログレスM-27Mを載せたソユーズ2.1aロケットが打ち上げで問題が起き、プログレスは制御不能に陥った。その後、ミッションは断念され、自然落下して5月8日に大気圏に再突入し、燃え尽きた。
 さらに、先月28日には、ドラゴン補給船運用7号機を搭載したファルコン9ロケットが打ち上げに失敗し、やはり補給物資はすべて失われた。この8か月で行われた計7回の補給ミッションのうち、実に3回が失敗に終わるという事態となった。
 ISS内にはこうした補給ミッションの失敗に備えて、あらかじめ予備の食料などが用意されてはいるが、NASAによると現時点での備蓄は「今年10月まで通常通り運用できるだけの量」しかなく、今回のプログレスM-28Mのミッションは、前号機プログレスM-27Mの失敗からの復活を示し、また補給できなかった物資を補うことと同時に、ISS全体の運用にとっても非常に重要な意味を持っている。
 プログレスM-27Mの失敗の原因は、それを打ち上げたソユーズ2.1aロケットの第3段機体と、プログレスM-M補給船とが組み合わされた場合のみにおける、特殊な動特性にあったと結論付けられている。したがって、今回打ち上げに使われた旧型のソユーズUロケットとの組み合わせにおいて、同様の原因で問題が起こる可能性は小さかった。また、ソユーズUはこれまで、プログレスM-M補給船を載せた打ち上げでは、25機中24機が成功している。
 今回の打ち上げでソユーズUロケットを使用するということは、プログレスM-27Mの事故よりもはるかに以前に決定されていたことだった。ロシアは現在、旧型のソユーズ・ロケットから、新型のソユーズ2ロケット・シリーズへの切り替えを進めている最中で、すでに人工衛星の打ち上げについては切り替えが完了しているが、プログレス補給船の打ち上げでは、しばらくはソユーズUとソユーズ2.1aの両方を並行して使用することで、様子を見ながら切り替えていく方針を採っている。またいずれは、有人のソユーズ宇宙船もまた、ゆくゆくはソユーズ2.1aで打ち上げられる計画だ。
 また、今回の打ち上げが成功したことで、7月23日に予定されている「ソユーズTMA-17M」宇宙船の打ち上げに向けた関門をひとつ突破したことにもなる。ソユーズTMA-17Mには、オレッグ・コノネンコ宇宙飛行士(ロスコスモス)、チェル・リングリン宇宙飛行士(NASA)、そして宇宙航空研究開発機構(JAXA)の油井亀美也宇宙飛行士の3人が搭乗する。
 なお、8月16日には日本の補給機「こうのとり」の5号機を搭載したH-IIBロケットの打ち上げが、また9月21日には、プログレスM-29Mを搭載したソユーズUの打ち上げも予定されており、今回のプログレスM-28Mと同様に、ISSの運用と、そこで暮らす宇宙飛行士たちの命綱をつなぎ続けるため、普段以上の責任と期待がその双肩にかかることになる。
■РОСКОСМОС: РН «Союз-У» с ТГК «Прогресс М-28М» успешно стартовала с космодрома Байконур
http://www.federalspace.ru/21565/

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