ファルコン9ロケット、打ち上げ失敗 第2段機体に問題か

Falcon 9's launch failure
Image credit: NASA
 米スペースX社は米国時間6月28日、ドラゴン補給船運用7号機(CRS-7)を搭載したファルコン9ロケットの打ち上げに失敗した。ファルコン9の打ち上げ失敗は今回が初めてのことだった。
 ロケットは米東部夏時間2015年6月28日10時21分(日本時間2015年6月28日23時21分)、フロリダ州にあるケープ・カナヴェラル空軍基地の第40発射台から離昇した。しかし、打ち上げから139秒後、第1段の飛行中に何らかの問題が発生し、機体は粉々となり、打ち上げは失敗した。
 原因はまだ不明だが、すでにスペースX社や米航空宇宙局(NASA)、米国連邦航空局(FAA)による調査が始まっている。 今後新しい情報が見つかり次第、随時発表されるという。
 現時点では、飛行中だった第1段機体ではなく、その上に載る第2段機体に何らかの問題が生じた可能性が高いとされる。スペースX社のイーロン・マスクCEOはTwitterで「第2段の液体酸素タンクの圧力が過剰に大きくなっていた」と明らかにしている。また打ち上げ前の試験の際には、ロケットに問題は確認されていなかった。
 事故により、ロケットや補給船の破片が地上に落下したが、大西洋上を飛行していたこともあり、現時点で何らかの被害が出たとの報告ははない。
 今回のミッションは、宅配便のように、NASAからの運賃によって物資を国際宇宙ステーション(ISS)に補給する「商業補給サーヴィス」契約の下で行われたもので、ドラゴンCRS-7にはISSに補給するための水や食料、日用品、ISSで使う実験機器や部品など、合計2477kgの物資が搭載されていた。
 それらは今回の失敗ですべて失われることとなったが、NASAによると、ISSの運用に即座の影響はないという。
 まず水や食料などの物資については、ISSには予備の物資があることから、現時点で蓄えてある物資だけでも、今年10月までは問題なく運用を続けられるという。また7月3日には、ロシアの無人補給船「プログレスM-28M」の打ち上げも予定されており、無事に成功すればより余裕が生まれることになる。
 その他の物資についても、NASAが担当している分については、再生産するなどして将来的に再度打ち上げることを目指すとしている。
 また7月23日に予定されている、オレッグ・コノネンコ宇宙飛行士(ロスコスモス)、チェル・リングリン宇宙飛行士(NASA)、そして宇宙航空研究開発機構(JAXA)の油井亀美也宇宙飛行士を乗せた「ソユーズTMA-17M」宇宙船の打ち上げにも影響はないとしている。
 今回の失敗を受け、NASAのチャールズ・ボウルデン長官は次のように述べた。
「今回の失敗には落胆している。しかし、ISSには数か月間は問題なく運用できる十分な量の補給物資を持っており、宇宙飛行士は安全な状態にある。今後スペースX社と共に、今回起きたことを理解し、そして打ち上げを再開するために尽力する。またISSへの商業補給計画は、打ち上げが失敗することも念頭に置いて計画されている。
 スペースX社は、これまでの6回の商業補給ミッションにおいて、並外れた能力を示し、私たちは彼らがその成功を再び繰り返すことができると信じている」。
 またNASAの有人探査運用局長を務めるウィリアム・ゲスティンマイヤー氏は次のように述べている。
「今日はつらい日だ。私が望んだ結果ではない。しかし、宇宙飛行というのは簡単なものではない。昨年のシグナス補給船運用3号機の打ち上げ失敗、今年4月のプログレスM-27M補給船の失敗、そして今回の失敗と、これらは私たちが挑戦に直面していることを意味すると思う。
 商業輸送計画において、いくつかの失敗が起こすであろうことは想定の範囲内だった。もちろん、これほどのことが起こるとまでは思わなかったけれども、しかしこれは過失ではなく、また商業輸送計画の欠陥でもない。これはまさに、宇宙飛行の挑戦である
 チームは今回の事故を通じて、学び、そしてより強くなるだろう」。
 ファルコン9ロケットは、米国の民間企業スペースX社が開発した大型ロケットで、打ち上げ数は今回で19機目、今年に入ってからは6機目の打ち上げとなった。ただし、6号機から使われているファルコン9 v1.1には、1号機から5号機まで使われたv1.0とまったく異なるロケットといえるほどの改良が施されているため、v1.1のみでは14機目の打ち上げとなった。これまでに大きな失敗は起こしておらず、今回のように機体や搭載していた人工衛星がすべて失われるほどの事故は初めてのことだった。
 ドラゴン補給船もまたスペースX社によって開発された無人の補給船で、ISSなどに物資を補給することを目的としている。NASAではかねてより、ISSへの物資や宇宙飛行士の輸送を民間企業に委ねる計画を進めており、ドラゴン補給船はその計画の中で開発された。
 今回の事故までに8機のドラゴンが打ち上げられており、1号機で飛行試験を行い、続いて2号機でISSとのランデヴーや結合の試験が行われた。そして3号機から、NASAとの商業補給サーヴィス契約に基づく、実運用が行われている。実運用機これまでに6機すべてが成功を収めており、失敗により失われたのは今回が初めてであった。
 今回の打ち上げでは、通算3回目となる、ロケットの第1段機体を船の上に着地させて回収し、別の打ち上げで再使用する試験が行われることになっていたが、事故により実現しなかった。機体を着地させるための機構は第1段機体にしか搭載されていないため、今回の事故との因果関係はまずないとされる。
写真=NASA。
■SpaceX CRS-7 Status | Space Station
https://blogs.nasa.gov/spacestation/2015/06/28/spacex-crs-7-status/

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