Delta II launches SMAP
Image credit: ULA
 ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)社は1月31日、地球観測衛星SMAPと4機の超小型衛星を搭載した、デルタIIロケットの打ち上げに成功した。SMAPは地球全体の土壌に含まれる水分を観測する衛星で、天気予報の精度改善や、災害の防止などに役立てられる。
 ロケットは太平洋標準時2015年1月31日6時22分(日本時間2015年1月31日23時22分)、カリフォーニア州にあるヴァンデンバーグ空軍基地のSLC-2Wから離昇した。ロケットはブースターや第1段機体を分離しながら順調に飛行し、離昇から約56分50秒後に、SMAPを予定通りの軌道に投入した。またその後、4機の超小型衛星も分離された。
 SMAPは米航空宇宙局(NASA)/ジェット推進研究所(JPL)が運用する地球観測衛星で、地球全体の土壌に含まれる水分と、凍結している箇所の融解具合を見ることを目的としている。得られたデータは、天気予報や気候変動の予測の改善、洪水や干ばつといった災害の予防、農業の生産性の向上といったことに役立てられる。
 衛星は、直径6mの傘のようなアンテナを持つ、大変ユニークな姿をしている。このアンテナは合成開口レーダーと放射計の、2種類の装置の目と耳として機能する。合成開口レーダーとは、電磁波を地上に向けて照射し、反射して衛星に返ってきた信号を分析することによって観測する装置で、放射計は地表から出る電磁波の放射を計測する装置である。
 SMAPという名前はSoil Moisture Active Passive(土に含まれる水分を能動的、受動的に観測)の頭文字から取られている。SMAPミッションは、もともとNASAで開発されていたESSPハイドロスという衛星が基になっている。ESSPハイドロスは2005年にNASAの予算削減が原因で中止されたが、その遺産を活用してSMAPが組み立てられた。
 打ち上げ時の質量は944kg。高度685km × 685km、軌道傾斜角98.1度の太陽同期軌道で運用され、8日ごとに同じ地点の上空を通過する。設計寿命は3年が予定されている。
 また今回の打ち上げには、エクソキューブ、GRIFEX、ファイヤーバードC、Dの、4機の超小型衛星も搭載されていた。エクソキューブはカリフォーニア州立大学が開発した衛星で、太陽フレアや磁気嵐などの宇宙天気を観測することを目的とする。打ち上げ時の質量は4kg。
 GRIFEXはカリフォーニア工科大学、JPLが開発した衛星で、GEO-CAPE ROIC In-Flight Performance Experimentの頭文字から取られている。JPLが開発した宇宙用の読み出し集積回路の実証を行う。打ち上げ時の質量は4kg。
 ファイヤーバードC、Dはモンタナ・スペース・グラント・コンソーシアムが開発した衛星で、ヴァン・アレン帯における電子マイクロバーストの観測を目指す。打ち上げ時の質量は2kg。
 打ち上げに使われたデルタIIロケットは、ボーイング社が開発したロケットで、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社によって運用されている。今回打ち上げに使われたデルタIIは7320-10と呼ばれる構成で、これは第1段にデルタII用の超延長型ロング・タンクを持ち、エンジンはRS-27Aを装備、固体ロケットブースターの本数は3基、第2段にAJ10-118Kエンジンを装備し、第3段は搭載せず、衛星フェアリングは直径10ftのものを使用している、ということを表している。
 デルタIIの1号機は1989年2月14日に打ち上げられた。以来、153機が打ち上げられ、失敗は2度のみ、また最後の失敗からは98機連続で成功を続けている。軍事衛星や惑星探査機、商業衛星など、数多くの衛星を宇宙に送り出し、米国の宇宙開発を支えるワークホースとして活躍している。
 しかし、後継機のデルタIVが登場したこともあり、すでに生産は終わっており、在庫は残り2機となっている。今後、2016年に地球観測衛星JPSS-1を、2017年に地球観測衛星アイスサット2を打ち上げ、運用を終える予定となっている。
■Delta II Successfully Launches NASA’s SMAP Mission – United Launch Alliance
http://www.ulalaunch.com/ula-successfully-launches-nasa-smap.aspx?title=United+Launch+Alliance+Successfully+Launches+Important+Earth+Science+Mission+for+NASA

 オススメ関連記事