スペースX社は1月28日、開発中の超大型ロケット、ファルコン・ヘビーの、新しいCGアニメーションをYouTubeで公開した(動画は本ページ下部のURLをご参照ください)。

動画では、かつてスペースシャトルの打ち上げに使われていた、ケネディ宇宙センターのLC-39Aから打ち上げられたファルコン・ヘビーが、最終的に人工衛星を軌道に投入するまでの一連の流れが描かれている。また、分離された2基のブースターが、きれいに揃った動きをしながら逆の方向に飛行し、発射場に帰ってくる様子や、それに続いて中央の第1段も帰還する様子なども描かれている。

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ファルコン・ヘビーはスペースX社が開発中の超大型ロケットで、0現在同社が運用しているファルコン9ロケットに、第1段をさらに2基、両脇に装着した豪快な姿をしている。ロケットエンジンの数も、第1段とブースターを合わせると27基にもなる。

打ち上げ能力は、地球低軌道に最大53,000kg(53.0t)、静止トランスファー軌道に21,200kg(21.3t)、火星へは13,200kg(13.2t)で、現在運用されている中で最も打ち上げ能力の大きいロケットになる。

ファルコン・ヘビーの特長として、クロス・フィードと呼ばれる技術が用いられている点がある。ファルコン・ヘビーは打ち上げ時、中央の第1段と両脇のブースターのすべてのロケットエンジンを燃焼させて飛行するが、第1段と両脇のブースターの推進剤タンクは配管で結合されており、中央の第1段のエンジンはまず、両脇のブースターの推進剤を使って運転される。そしてブースターの分離後に、初めて第1段自身が積んでいる推進剤が使われる。これによりロケットの効率を高めることができる。

また、両脇のブースターや第1段は回収することもでき、この場合打ち上げ能力は、前述の数値の70%から60%ほどに落ちるものの、機体を再使用できることで打ち上げ費用は安くなるという。今回公開された動画でも、ブースターと第1段が、それぞれ同じ発射場に帰ってくる様子が描かれている。

スペースX社では通常の大型ロケットであるファルコン9を使い、第1段機体を回収する試験を進めている。昨年までは、打ち上げ後の第1段機体を大西洋上に落下させる試験が行われ、今年1月8日には、大西洋上に浮かべた、広い甲板を持つ船の上に降ろす試験が行われた。残念ながら、船の真上までたどり着くことはできたものの着地には失敗し、ロケットは破壊されたが、2月8日予定されている次のファルコン9の打ち上げで、再び回収試験に挑むという。

 

■Falcon Heavy | Flight Animation - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4Ca6x4QbpoM&feature=youtu.be

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