中国の長征ロケット・シリーズ、200機目の打ち上げを達成

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200th Long March rocket launches
image credit: 中国航天報
 中華人民共和国は12月7日、ブラジルと共同開発した地球観測衛星CBERS-4を載せた、長征四号乙ロケットの打ち上げに成功した。こ回の打ち上げで、中国の長征ロケット・シリーズは200機目の打ち上げとなった。またここ最近の100機に限れば、打ち上げ成功率は世界第1位をひた走っている。
 最初の長征ロケットである長征一号は、当時開発が進められていた大陸間弾道ミサイル「東風5」を基に開発され、1号機は1970年4月24日、人工衛星「東方紅一号」を搭載して打ち上げられた。これにより中国は、ソ連、米国、フランス、日本に次ぐ、世界で5番目の人工衛星打ち上げ国となった。
 その後、返回式衛星(FSW)と呼ばれるフィルム回収式の偵察衛星を打ち上げる手段として、打ち上げ能力を増やした長征二号ロケットが開発された。長征二号は2段式のロケットで、地球低軌道に2tの打ち上げ能力を持っていた。1974年11月5日に1号機の打ち上げを試みるも離昇20秒後に爆発、失敗に終わる。原因はジャイロからの信号を伝達するケーブルに問題があったためと記録されている。
 その後、改修を施した長征二号甲が登場する。長征二号甲は基本的に長征二号と同じ機体だが、長征二号の失敗の原因となったケーブル部に手が加えられている。1975年11月26日に1号機が打ち上げ成功し、FSWを軌道に乗せた。その後1978年1月26日までに全3機が打ち上げられた後、引退した。
 またその後、打ち上げ能力を高めた長征二号丙が登場した。見た目は長征二号、長征二号甲と似ているが、改良により、地球低軌道への打ち上げ能力が2.4tにまで向上している。FSWなどの他、イリジウム衛星など他国の商業衛星を打ち上げるロケットとしても使われ、第3段として固体ロケットを装着した構成や、また近年は打ち上げ能力を4tまで高めた改良型も登場した。1982年9月9日に初飛行し、現在も活動している。
 そして、1980年代中期に開発されたFSWの改良型FSW-2を打ち上げるために、長征二号丁が開発された。当初は長征二号丙の開発を担当した中国運載火箭技術研究院(CALT)が長征二号丙の改良型を提案するもコスト高により却下、代わりに上海航天技術研究院(SAST)が提案した案が採用され、これが長征二号丁となった。1992年8月9日に初飛行し、現役である。ただし、当初開発された長征二号丁は1992年と1994年、1996年の3回だけ打ち上げられて運用を終え、2003年からは尾部にフィンが追加されるなどした、改良型の長征二号丁が運用に就いている。
 一方、1970年代から、通信や放送に最適な静止衛星を打ち上げるための、新しいロケットの開発が始まった。そして誕生したのが長征三号で、第1段と第2段は長征二号丙と同じだが、その上に液体酸素/液体水素を使用する第3段を追加している。1984年1月29日に初飛行し、2000年6月25日までに13機が打ち上げられた後、引退した。
 また1994年には長征三号の第3段を改良し、打ち上げ能力や軌道投入精度を高めた長征三号甲が登場し、1994年2月8日に初飛行し、現役である。また2007年には中国初の月探査機「嫦娥一号」も打ち上げている。
 また1996年には、長征三号甲の第1段に4基の液体ロケットブースターを装備し、打ち上げ能力をさらに高めた長征三号乙が登場した。1996年2月15日に行われた1号機の打ち上げは失敗し、発射場近くの村に墜落、宇宙開発史上最悪とも呼ばれる大惨事を引き起こした。その後はいくつかの海外の通信衛星や月探査機「嫦娥二号」の打ち上げにも使われ、現役である。また打ち上げ能力を若干高めた増強型も存在する。
 そして2008年には、長征三号甲と乙の打ち上げ能力の間を埋めるために長征三号丙が開発された。甲は静止トランスファー軌道に2.6t、乙は5.2tの打ち上げ能力をそれぞれ持ち、長征三号丙は3.7tと、まさに中間の性能を持つ。見た目も長征三号乙の4基あるブースターを2基にするという実に分かり易い変化をしている。2008年4月25日に初飛行し、こちらも現役だ。
 また長征にはもうひとつ、長征四号というシリーズも存在する。四号はもともと、前述の長征三号が開発される際に提案されたバックアップ案だった。このとき、長征二号を製造していた中国運載火箭技術研究院(CALT)が液体酸素と液体水素を使用する第3段を搭載した構成を提案し、そのライヴァル企業である上海航天技術研究院(SAST)が、四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジンを使う第3段を搭載する構成を提案していた。
 最終的にCALT案が選ばれ、これが現在の長征三号となった。一方、このCALT案は、液体酸素と液体水素を使う先進的な設計であったことから、そのバックアップとしてSAST案も開発が行われた。その後、長征三号が無事に実用化されたため、SAST案は極軌道打ち上げロケットへ転用され、現在の長征四号となった。
 長征四号の最初の機体、長征四号甲は1988年9月6日に初飛行し、1990年9月3日に2機目が打ち上げられ、引退した。その後1999年5月10日に、長征四号甲のフェアリングを大型化し、またエンジンなどに改良を施して打ち上げ能力を高めた長征四号乙が登場。さらに2006年4月26日には、第3段に再点火可能なYF-40エンジンを搭載した長征四号丙が投入された。現在長征四号乙と丙が、主に軍事衛星や地球観測衛星の打ち上げに使用されている。
 長征シリーズのロケットは打ち上げ200機目を実現するまで44年間を費やしたが、後半の100機はわずか7年間で達成している。また、この後半100機中、失敗は2機のみで、打ち上げ成功率は98%と、世界でもっとも高い。
 さらに現在、大型ロケットの長征五号、小型ロケットの長征六号、中型ロケットの長征七号の開発を進められており、また海南島には新しいロケット打ち上げ基地も造られている。これら次世代の長征は早ければ来年から運用が開始され、いずれは現在の長征シリーズを代替することになっている。
 また、NASAが開発中の超大型ロケット、スペース・ローンチ・システム(SLS)に匹敵するほどの超大型ロケット長征九号、そしてまた別の小型ロケットの長征十一号の開発も始まっている。
 これからも、宇宙開発における中国の躍進は続いていくことだろう。
■中国长征系列运载火箭200次发射专题
http://zhuanti.spacechina.com/n790255/index.html

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