Soyuz-2.1b and GLONASS-K
Image credit: Ministry of Defence of the Russian Federation
 ロシア航空宇宙防衛部隊は12月1日、航法衛星GLONASS-Kの2号機を搭載したソユーズ2.1b/フレガートMロケットの打ち上げに成功した。GLONASS-Kは、ロシアの全地球測位システムGLONASSを構成する衛星の、能力向上を目指した試作機で、同型機の打ち上げは今回で2機目となる。
 ロケットはモスクワ時間2014年12月1日0時52分(日本時間2014年12月1日6時52分)、ロシア北西部にあるプレセーツク宇宙基地の43/4発射台から離昇した。ロケットは順調に飛行し、約8分後にロケットからフレガートM上段が分離された。フレガートMは約3時間半にわたって飛行し、4時25分(同10時25分)に衛星を軌道に投入した。
 現時点で米軍の宇宙監視用レーダーからの軌道データは出ておらず、第3者による裏付けは取れていない。
 GLONASS-Kは、現在ロシアの全地球測位システムGLONASSを構成している航法衛星GLONASS-Mに代わる、新型機の試作機だ。2011年に1号機が打ち上げられ、今回打ち上げられたのは2機目となる。
 GLONASS-KはMに比べ、測位の正確さが向上しているほか、Lバンドの測位信号を出す機器を搭載しているといった違いがある。また設計寿命もMの7年から10年にまで延びており、打ち上げ時の質量も1,415kgから935kgにまで軽量化している。
 開発と製造は、ISSレシェトニェーフ社が担当した。衛星バスには、通信衛星などで使用実績もあるエクスプレース1000Aが使われている。
 試作機としてのGLONASS-Kは今回の2号機で打ち上げを終え、今後は量産機のGLONASS-Kの打ち上げに切り替えられる。公式には、両機の名前は分けられてはいないが、西側などでは試作機の方をGLONASS-K1、量産機をGLONASS-K2と呼ぶこともある。量産機は2015年から打ち上げが始まる予定だ。
 また今後、当面はGLONASS-Mも並行して打ち上げが行われるが、将来的にはGLONASS-Kにすべて置き換わる予定だ。
 ソユーズ2.1bは、ロシアのソユーズUやソユーズFGの後継機として開発されたソユーズ2シリーズのひとつで、エンジンの改良と、制御システムなどの電子機器の全面的な近代化がされている。特に後者においては、機器の軽量化と、飛行プロファイルの最適化が可能になったこと、打ち上げ能力の向上につながっている。またウクライナなどから買っていた部品を無くし、ロシア製の部品のみで造られている点も大きな特徴だ。
 ソユーズ2シリーズはソユーズ2.1aとソユーズ2.1b、そしてソユーズ2.1vの大きく3種類があり、まず最初にソユーズ2.1aがデビューした。ソユーズ2.1aの1号機は2004年11月8日にサブオービタル(軌道に乗らない)飛行での試験を実施し、2006年10月19日の2号機で、初の人工衛星を搭載した打ち上げに成功した。それ以来、ロシアの通信衛星や航法衛星、偵察衛星などの打ち上げに使用されている。ソユーズ2.1aはこれまでに17機が打ち上げられ、2009年に予定より低い軌道に衛星を投入してしまった以外は、成功を収めている。
 ソユーズ2.1bは、ソユーズ2.1aの第3段に、より高性能なロケットエンジンを装備し、打ち上げ能力を向上させた機体で2006年に運用に入った。今回を含め14機が打ち上げられているが、2011年には、まさにその新しい第3段エンジンが原因で打ち上げに失敗している。
 さらにソユーズ2はアリアンスペース社も輸入し、運用が行われている。こちらはST型と呼ばれる大型のフェアリングを搭載し、ソユーズ2.1aはソユーズST-A、ソユーズ2.1bはソユーズST-Bと名付けられ、これまでに計9機が打ち上げられている。つまりソユーズ2シリーズは計40機が打ち上げられていることになる(ただし第1段がまったく異なるソユーズ2.1vは含まない)。
 フレガートはロシアのNPOラーヴォチキン社によって開発・製造されている上段で、ソユーズやゼニート・ロケットで使われている。非対称ジメチルヒドラジンと四酸化二窒素を推進剤とし、最大3日間の軌道滞在と、20回以上ものエンジンの再着火が可能だ。またタンク形状が異なるいくつかの種類が存在し、今回のミッションで使われたのはフレガートMと名付けられたバージョンだ。
 フレガートは今年8月に、ヴァリエーションのひとつのフレガートMTが、欧州版GPSことガリレオ計画で使われる衛星2機を載せ、ソユーズ2.1bロケットでギアナ宇宙センターから打ち上げられたものの、計画から大きく外れた軌道に衛星を投入してしまうという失敗を起こしている。その後の調査で、設計ミスにより、飛行中に姿勢制御スラスターの燃料の配管が凍り、詰まってしまったことで、正常な姿勢を保てなくなったことが原因と結論付けられている。
 この事故後、製造元のNPOラーヴォチキン社では、フレガート・シリーズの設計変更などが行われたとされる。
■С космодрома Плесецк успешно стартовал «Союз-2.1Б», который вывел на орбиту навигационный космический аппарат нового поколения «Глонасс-К» : Министерство обороны Российской Федерации
http://structure.mil.ru/structure/forces/cosmic/news/more.htm?id=12002187@egNews

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